昇平てくてく日記2
小学校高学年編
「海底二万マイル」
ながらくずぼらして 多忙にかまけて更新していなかったことを反省して、今日も更新です。大ネタはめったになくても、ちょっとした出来事なら、見回せばけっこういろいろあるんですよね。
さて、ご存知の方はご存知の通り、私は夜、布団に入ってから昇平に物語の語り聞かせをずっと続けています。
このところは冒険ものがお気に入りで、定番中の定番「ロビンソン・クルーソー」から始まって、「十五少年漂流記」と読み進め、一昨日、とうとう「海底二万マイル」も読み終えました。絵本と書籍の中間くらいの児童書なので、原作よりはずっと短く簡単になっていますが。
一晩に一章ずつ読んだので、半月ほどかかりましたが、読み終えたときに昇平がしきりに気にしていました。
「ネモ艦長はどうなったのかな。ノーチラス号は無事なのかなぁ?」
物語のラストでは、ノーチラス号が大渦巻きに飲み込まれ、主人公たちは潜水艦から脱出するものの、ノーチラス号もネモ艦長たちも消息不明になる、というところで終わっているからです。
「んー。これは、この後どうなるか読んだ人が自分で考えてみてくださいね、ってお話だからね……。昇平くんは、この後どうなったと思う?」
すると、昇平、少しの間考えてから、
「ノーチラス号は渦巻きから脱出していると思う。そして、ネモ艦長も心が平和になって、優しい人になって、ずっと生きていると思う」
う〜ん、なるほど。そう想像しましたかぁ〜!
本の巻末には、保護者向けのページがあって、ぜひお子さんに「ネモ艦長ってどんな人だと思う?」という質問を投げかけてみてください、と書いてありました。
試しにそれも聞いてみたら、昇平はまた考えてから、
「うーんとね……よくわからない人」
よくわからない、ではなく、よくわからない「人」なので、どんなふうにわからないの? と重ねて聞いてみました。
「いろんなところがある人」
「いろんなところ? 例えばどんなところ?」
「えっとねー……優しいところとか、怖いところとか、不思議なところとか……」
すごい。ネモ艦長の人物像そのままだ。
本当に、ちゃんと「海底二万マイル」の物語を理解することができたんだねー。
昇平はことばの発達が遅れています。
話す方も、非常にたどたどしいところがあって、日記に書けばスムーズに答えているように読めるかもしれませんが、実際にはなかなか出てこないことばを待って、何十秒もこちらがじっと我慢をしていることもしばしばです。
ことばを理解する方も、決して得意ではありません。年齢が低かった頃は、集中力も短くて、長い物語など、とても聞かせられませんでした。それが、今では何週間にもわたる長い物語を、ひとつのストーリーとして理解することができるようになり、その中から人物像や人の気持ちのようなものまで読み取れるようになってきたのですから、すごい進歩だなぁ、と思います。
そう言えば、学校の国語の時間でも、漢字は極端に苦手だけれど、物語の読み取りはそこそこできるようになってきました。毎晩の語り聞かせの成果がでてきたのかも、と思うと、勉強が目的ではなかったものの、やっぱり嬉しい気がします。
さて、「海底二万マイル」も読み終えてしまって、次なる物語は何にしようかと思案中です。
男の子だけあって、やっぱり冒険ものが好きな様子。うーん、そうだなぁ……。
うん、「ピーター・パン」! 今度は、これあたりが良いかもしれません。親から忘れられてネバーランドで暮らすピーターと子どもたちの物語。お母さんべったり子の昇平は、今度はどんなことを思いながら聞くことでしょう?
そのあたりの反応を見るのも、とても楽しみな読書タイムです。
[06/12/14(木) 10:47] 日常 発達障害