昇平てくてく日記2

小学校高学年編

土曜日の日記

 今日は土曜日。休みの日というと、昇平は遊び相手もなくて、家でパソコンばかりになってしまう。
 外出に誘い出すけれど、行ける場所がまた限られていて、特に子どもが多く集まる場所にはなかなか連れて行けない。(聴覚過敏があって小さな子の泣き声・騒ぎ声にパニックになるから)
 昼にハンバーガーを食べたい、というのでマック(マクド)へ昼食を食べにいき、その後、隣のゲームセンターへ。外出先もゲームかぁ……。
 でも、ちょっと偉かったことが二つ。

1.マックの店内に小さい子がいて、泣いているわけではないけれど高い声を上げていた。昇平、ちょっと気にする顔になったけれど、すぐに平然とハンバーガーを食べ続けた。声が気になり始めたら、「もう出よう」と言って、食べかけのポテトを抱えて自分から店を出た。

2.ゲーセンで遊ぶために200円渡した。100円で自分の好きなゲームをしたが、その後、やりたいようなゲームが見つからなかった。センター内を15分くらいうろうろしていたけれど、結局私のところへ戻ってきて、「やりたいゲームがないから、この百円、ぼくがもらってもいい? 貯金したいから」 本当に今、彼は貯金をがんばっている。「いいよ」と言って、「えらいね」とほめたら、嬉しそうだった。

 その後、途中の店に買い物に回る。実は中古のゲームソフト屋。
 休みの日に昇平と遊びたいのだけれど、トランプなどのカードゲームだと、ルールを覚えるのが大変で長続きしない。なので、私と昇平で楽しめそうなゲームはないかと物色。
 その間、昇平もソフトを眺めていて、大好きなカービィの新作ソフトが並んでいるのを発見。
「これ買いたい! お願いします、買ってください!」
 あのね。それ、四千円以上もするでしょ。お母さんは自分のためのゲームを買いに来たの。君も買いたいなら、後で自分のおこづかいから払いなさい。今は立て替えておいてあげるから。
 どう反応するかな、と思いながら様子を見ていたら、その後、少しの間粘っていたけれど、母がまったく妥協しないので、「貯金ふやしたいからなー」「金が減るのは嫌だしなー」としばらく悩み、結局ソフトを棚に戻した。……正直、私はびっくり。あのカービィ好きの昇平が、衝動買いをあきらめられるとは! あんた、本当に最近すごいかもね。

 私が選んで買ったのは「ワンピース パイレーツカーニバル」という名前のソフト。数人で対戦できるミニゲームがたくさん入っている。「ワンピース」なら我が家にもコミックスがあって、昇平になじみがあるし、抵抗もあまりない。それでも最初は「ぼく、やらないから」と言っていたけれど(初めてのものには不安で、最初こんなふうに拒否することが多い)、パッケージを眺めたり、私が「いいよ、お母さんがひとりでやるから。それを見ていれば?」なんて言うのを聞くうちに、自分もちょっとやってみてもいいかな、という気になったようで、結局家に帰ってテレビの前に座る頃には、自分もしっかりゲームをする気になっていた。
 30分あまりで1ゲームが終了。コンピューターも含めて4人で対戦していたのだけれど、結局昇平が優勝してご機嫌になった。
 途中、自分がミニゲームに勝つと、「みろー、おまえはヘボだ。ばーか」などと負けた相手をけなして喜んでいるので、ゴツン☆ とげんこつ食らわせて、「コンピューターだから怒らないけど、これが本当の人間だったら、そんなこと言われたら絶対怒るよ」と言い聞かせて。おお、SST!?(爆)
 今まで、こういうゲームにさえも集中力が続かなかったのに、やっと、まともにプレイできるようになったからね。うん、母とはこれで遊ぶことにしようか。
 ゲームばかりの土曜日だったけれど、でも、それなりに意義はあったかも。

 明日は日曜日。
 母は町内会の仕事で一日いないから、今度は父の出番だね。
 体を動かせるように、温水プールに連れて行ってもらおうかな。 

[07/01/27(土) 16:35] 日常 発達障害

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