昇平てくてく日記2
小学校高学年編
春休み中の変化
春休みになって昇平が家にいるようになったので、ネタが増えて日記が書けるようになるかと思ったら、春休みは短期間にあれこれやることがあるものだから、忙しくてやっぱりなかなか書けませんでした。
昨日から県内の小中学校は新学期。昇平も6年生になって、はりきって登校していきました。
やっと少し落ちついたところで、春休みの昇平の様子などを振り返ってみます。
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1.最上級生の自覚が出てきた!
新6年生の子どもたちにとって、学校の最上級生になるというのは、とても意味深いものがあるらしい。見ていると、どの子もなんとなく張りきっていて、春休み中に登校して教室移動の手伝いをする際にも、「めんどくせ〜なぁ」なんて顔をしている子は誰もいなかった。
昇平も6年生になるのがとても嬉しいらしくて、春休みの終わりが近づくと、「ぼく、いよいよ6年生!?」と目を輝かせていた。いろいろな場面で「もうすぐ6年生だね」と声をかけてきたけれど、そうすると、今までがんばれなかったこともがんばれたりして、なんだかとてもかわいかった。(笑)
ゆめがおかにも1年生が二人入ってくる。最上級生らしい6年生になってほしいなぁ、と願ってはいるのだけれど、さて、実際にはどうなりますやら。
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2.片付けをした
春休み中に古いノートや教科書やプリント類の整理をした。これは私が片付けてしまった。昇平に手伝わせようと思ったのだけれど、あまりに大量で、かえって大変になりそうだったので。
すると、それから少ししてから、昇平が言い出した。
「ぼく、机の片付けをするよ」
普段勉強や遊びに使っているパソコンまわりをいきなり片付け始め、そこが綺麗になると、今度は隣の部屋に置いてあるもうひとつの自分の机を片付け始めた。どちらもモノがいっぱいにあふれていて、いかにもADHDっ子らしいスペースになっていたのだけれど、
「お母さん、これもう捨てるからね」
「これも捨てていいよね」
と言いながら、思い切りよく整理していった。箱いっぱいに作りためていた紙粘土のフィギアも、ゴミ箱へザーッ。あんなに「捨てないで!」って言っていたのにねぇ。
時々「お母さん、見て。こんなに綺麗になってきたよ」と言いながら、けっこうそれらしく片付けてしまった。机の上にスペースができてるー。ちゃんと自分にとって大事な飾り物だけ残しているー。ノート類や本類はカテゴリーごとにまとめて立ててあるー。……なんかすごいぞ、昇平。
その日だけだったけれど、チャレンジの勉強を、片付けた机でやった昇平だった。
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3.無駄遣いしなくなってきた
春休み中に私の実家にも行ってきた。すると、おじいちゃんが昇平におこづかいをくれた。
毎回、遊びに行くと、おじいちゃん、おばあちゃんは孫たちにこづかいをくれるのだ。
「学資保険のために貯金するから、半分は母に渡すこと」という約束にしてある。これは、こづかいだけでなく、お年玉の時にも共通の取り決め。兄ちゃんにも高校になるまではこの約束を守らせた。
兄ちゃんは、いつの頃からか、こづかいを無駄遣いせずに、貯金箱などに貯めるようになっていった。ある時、部屋に入っていった昇平が、目を丸くして教えに来た。
「兄ちゃんの部屋に、お金がいっぱい入ったビンがあるんだよ」
お金といっても硬貨だけれどね。兄ちゃんが小学4年生の頃から貯め続けたお金なんだよ。兄ちゃんの貯金だよ。
そんなふうに教えたからだろうか。それから間もなく、「ぼくも貯金する!」と昇平が言い出した。
海苔の空き缶の蓋に口を作ったお手製の貯金箱にお札を入れ、たまたまその頃もらったスライダー式貯金箱(硬貨の種類によって入る場所が変わる貯金箱)に硬貨を入れ、「ぼく、無駄遣いしないよ」と言っていた。
本屋に行ったら、昇平がゲームの攻略本を見つけた。
「この本、ほしいなぁ! お母さん、これ買いたい!」
「いいよ。自分のおこづかいで買いな」
「えー。だってお金が減っちゃうじゃん」
「それはしょうがないねぇ。使えばお金は減るんだから」
昇平、しばらくうーん、と悩んでから、
「やっぱりやめた。おこづかいが減るのは嫌だから。……えらい?」
「偉い!」
春休み中に、近所のお寺の祭礼があったのだけれど、その縁日を見に行ったときにも、おやつ類は買ったものの、おもちゃやクジの類にはとうとう手を出さなかった。毎年、「おもちゃは絶対買わなくちゃ」という感じでだったのに、今回は、「ほしいものが別にないからいいや」という感じ。やっぱり、こづかいを無駄遣いしたくなかったらしい。
ゲーセンに連れて行ったときにも同様。一応軍資金に200〜300円渡すのだけれど、全部使ってしまわないで、必ず100円くらいは残し、それを貯金したり、別の場所でガチャガチャを買うのに使ったりしていた。
目に映るモノがすぐにほしくなったり、やりたくなったりする昇平なのだけれど、おこづかいが減るのは嫌だ、という気持ちから、「それが本当に必要かどうか」を自分の中で検討するようになってきたらしい。
実を言えば、昇平に現金を持たせるのには不安もあったのだけれど、結果としてそれが良い方向に動いているので、ほっとしている。
子どもはちゃんと成長するもんだ。
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4.友だちと遊びたい
春休み中、「今日は何をしようか」「明日は何をする?」としょっちゅう言うようになった。
誰かと何かをして遊びたい、という気持ちが強くなっているようだった。
休み中に、近所のC君の家へ自分で電話して、C君と弟君に遊びに来てもらった。ときどきC君たちが兄弟喧嘩(というほどでもないのだけれど)を始めると昇平が怒り出したり、相手が自分の思い通りにしてくれなくて昇平がかんしゃくを起こしたり、という場面もあったけれど、だからこそ、友だちと過ごす経験をたくさんさせてあげたいな、とも思った。
兄弟喧嘩は兄弟自身に任せていいこと。相手は必ずしも自分の思い通りにはしてくれないこと。思いやること。妥協すること。友だちと一緒でなければ学べないことはたくさんあるから。
友だちとはちょっと違うけれど、母が夕食の支度を始めると必ず台所に来るようになったのも、今までとは違っていた。
用もないのに、本や携帯ゲーム機を抱えてきて、台所でうろうろ。「お母さん、ぼくも手伝うから」と言って、料理を手伝ってくれることも多かった。
まだ皮むきなどはできないけれど、包丁づかいはずいぶん上手になった。スピードも速くなってきたので、本当の意味でお手伝いになってきている。
今までより人を恋しがる感じになってきたのも、最近の変化。
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これ以外にも小さな変化や成長はいろいろ見えた昇平だけれど、それはこの後の日記でおいおい書いていこうと思う。
どんなに幼くても、やっぱり成長している昇平。
本当に、いよいよ小学校最上級生。
うん。自分に出せる力で、自分らしくがんばれ!
[07/04/07(土) 05:51] 学校 日常 発達障害