5月(5)〜ブラックジャックと紐結び〜
5月28日(月) 天気:曇り時々晴れ
とても肌寒い一日だった。福島の最高気温が16℃。その中、今日から衣替えだった兄ちゃんは、死ぬほど寒い思いをしたらしい。
今日は昇平は土曜日の運動会の代休。日中はもっぱらパソコンをやっていたので、時々「これから○時までパソコンはひと休みだよ」と声をかける。
夕方、「今週の昭和の日は何曜日にしようか?」と聞いたら、「今夜がいい」と言うので、今週最初の昭和の日は月曜日になった。
土曜日に旦那から教えてもらったブラックジャックを二人でする。わかりやすい上に勝負がすぐ決まるので、昇平には合っているらしい。面白がって、自分から何度もやりたがった。そのあとはダウトとババ抜き。ダウトはカードをランダムに半分にして使うようにしたら、相手の手札に何があるかが読めなくなって、二人でも面白くやれるようになった。昇平が出したカードを最後に私が読み違えて、私の負け。ババ抜きでは私が勝った。
そんなふうに勝っても負けても全然怒らなくなったんだから、成長したなぁ、と思う。トランプのゲームそのものを楽しめるようになってきたのも、大きな進歩。
そのあとは、図書館から借りてきた「ピノッキオ」を読んだ。何度も反省を忘れて悪の道へよろめいてしまうピノッキオに、はらはらどきどきの昇平だった。
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5月29日(火) 天気:晴れ
昨日の昭和の日が楽しかったのか、今日も「後でブラックジャックをしよう」と自分から誘ってきた。パソコンもゲームも、テレビも止めてトランプ。その後は「ピノッキオ」の続きを読んだ。
ゲームもテレビもないと、ゆっくりした時間が過ぎていく。その中で自然に会話をしているから、なんとなく、私たち自身も穏やかな気持ちになる。いいなぁ。これからも、昭和の日だけでなく、ときどきこんな風にゆっくりした時間を過ごすことにしよう。
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5月30日(水) 天気:曇り時々雨
学校帰りにスーパーへ買い物に回った。小さな子がいて、甲高い声を上げていたけれど、ちょっと顔をしかめただけで知らんふりをしていた。
連絡帳を読んだら、学校でも大泣きしていた一年生に知らん顔でいたという。その子が泣いていた原因はわからなかったけれど、「自分には関係ない」と考えることができたらしい。「明らかに今までと違ってきた感じがします。」とドウ子先生のコメントにあった。
気持ちを巻き込まれないこと、自分でも意識してできるようになってきたのかもしれない。
それにしても、昇平の場合、こういう変化や成長は、なにか大きな行事の後に来ることが多い。今回も運動会が終わるのと同時に、いろいろな変化が見られている。会話がだんだんしっかりしてきたとか、スーパーで買い物カゴを車まで自主的に運んでくれるとか。
6年生として運動会を運営する側に回ったことや、練習や競技を精一杯がんばったことが、本人にとってプラスになっているのかもしれない、と思う。
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5月31日(木) 天気:曇り時々雨
昇平も体が大きくなってきて、靴のサイズも24.5センチになってしまった。今まではずっとマジックテープのスニーカーだったけれど、さすがにそれもなかなか見つからなくなって、今回初めて紐のスニーカーを買った。
ところが、昇平は靴の紐が結べない。そのうち教えてやらなくちゃ、と思いながらも、実は私自身も紐を結ぶのがとても苦手。蝶結びができるようになったのは、それこそ小学校高学年になってから。今も、自分では結べるけれど、人には教えられない。昇平が学校でほどけた紐を縛れなくて、西尾先生に頼んでいると聞いたので、おばーちゃんに助っ人を頼んだ。おばーちゃんは手先がとても器用。昇平に靴紐の結び方を指導してくれたけれど、「なかなか難しいわねぇ。まあ、時間をかけてやっていけば、そのうちできるようになると思うけれど」と、後で苦笑いしていた。うぅん、やっぱり私の子どもよね。
すると、その話を連絡帳で読んだドウ子先生が、すばらしい
「紐結び練習用具」を作ってくださった。これがその写真。ズックの形のシートから出ている紐には、二色の色丸がついていて、手順通りにその丸を合わせながらやっていくと、ちゃんと蝶結びができる――というすぐれもの。それを十回やってくるのが、今日の宿題だった。
「おばあちゃんに見てもらいながら練習する?」
と昇平に聞いたら、
「ううん、ぼく学校で教えてもらってきたから、自分でできるよ」
本当に、手順を見ながら、なんとか自分で十回練習していた。すごーい!!! 自分自身の力で練習できるってところが、特にすばらしいよね。
私が子どもだった頃にこんな練習用具があったら、私ももっと早く紐が結べるようになったんだろうな、と思って、ちょっぴり昇平がうらやましかった。
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6月1日(金) 天気:雨のち晴れ
私たちはよく学校の帰りにスーパーに回って買い物をするけれど、今日は特売日で、買い物が山ほどの量になってしまった。ところが、レジを通り終わる頃に買い忘れがあったことに気がついた。それで、昇平に商品が入った籠を預けて「これ、そこの台の上で袋に詰めておいて」と頼んだら、重たい籠を自分で持って運んで、ちゃんと袋詰めしてくれた。それも籠二つ分も。さらに、何も言われないうちに自分から袋を持って車まで運んでくれた。「ありがとう、助かったよ〜」と感謝しながら、なんだか急に大人になってきたなぁ、と感じてしまった。
どうやら、自分が小学校最高学年なんだという自覚がしっかり出てきたらしい。やっぱり運動会で6年生として準備係などしてきた経験が、実感に結びついたのかもしれない。
ゆめがおかに新入生が入ってきている意義も大きいのだろうな。
実際に最高学年らしい行動が取れているかといえば「……」な部分も多いけれど(笑)、でも、自覚はやがて行動に結びついていくから、やっぱり大事なことだろうと思う。
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6月2日(土) 天気:晴れ
体育の時間に鉄棒の逆上がりをしたら全然できなかった、というので、自転車で近くの小学校まで行って鉄棒の練習をしてきた。……なるほど、全然できてない。まず、蹴上げることができない。鉄棒にぶら下がることも、まともにできないかも。筋力もついていないし、体の協調性も悪いから、思い通りに体が動かないのだ。
とりあえず、今日は腕の筋力をつける練習と、蹴上げる練習をしたけれど、横たわるの最大の難関は――。
母の私も逆上がりができない!! ということ。
運動音痴の母は子どもの頃から、逆上がりができなかった。中学時代、特訓をして、ほんの一時期できるようになったけれど、それも体育で鉄棒が終わったら、後はまたできなくなってしまったし。これではとても昇平に指導するなんてことはできない。鉄棒のインストラクターをやといたいなぁ。誰か昇平の練習を見てやってくださ〜い。
紐結びといい、鉄棒といい。カエルの親はカエルということなんです。はい。(苦笑)
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6月3日(日) 天気:晴れ
「今日はマク○ナルドでお昼を食べて、ゲーセン行きたい〜」と昇平からリクエストあり。久しぶりにそれもいいか、と外出することになった。兄ちゃんは、昼食だけ一緒に食べて、後は自由行動。まあ、高校生ですから。(笑)
天気は上々。風も爽やか。「少しドライブに行かないか?」と旦那が言い出した。実は、親戚が山の上の釣り堀で働き始めたので、そこをのぞきに行こう、というわけ。地図を見ながら行くこと1時間半。釣り堀と言っていたけれど、実際には個人で経営している小さな自然公園のような場所だった。その中に、釣りができる池などがあるらしい。なかなか綺麗な場所。
時節柄お客さんが多くて迷惑になりそうだったから、今回は場所を確かめただけで、声をかけずに帰路に。途中でダム湖などを見て帰った。近場にそういう場所があるわけなのだけれど、足を運んだのは久しぶり。昇平なんか、3歳か4歳のときに行ったきりだった。もちろん、まったく覚えていなくて、「大きいね〜。何Kmくらいあるの?」と目を丸くしていた。ダム湖のそばの道の駅で買ったワラビ(地元の人が採って卸しているもの)を買って夕食に食べた。美味しかった。
夜は、帰宅した兄ちゃんも交えてブラックジャック。兄ちゃんが一番良くルールを知っていて、親になって仕切ってくれた。家族四人で、買った負けたと大騒ぎ。楽しかったなぁ。
なんてこともない、ごく平凡な日曜日の楽しみ。でも、こういう日々を大事にしていくことが、子どもたちにも私たちにも大事なことかな、なんても思ったりする。
[07/06/04(月) 14:51] 学校 日常 療育・知識 発達障害