昇平てくてく日記2

小学校高学年編

6月(2)〜だんだん落ちついてきた?〜

6月11日(月)

 半分自力下校は今も続いている。6年生になってからは一人で下校するようになっていたけれど、今日は待ち合わせ場所に来るなり嬉しいそうな顔で、「途中からL子ちゃんと一緒に歩いてきたんだよ。ずっとポケモンのアンノーンの話をしてきたんだ!」と教えてくれた。どうやら、同じゆめがおかのL子ちゃんと途中から一緒になって、ずっと話しながら帰ってきたらしい。昇平の話題は限られているから、なかなか話が盛り上がるというわけにもいかないのだけれど、L子ちゃんとならば、話題も合ったらしい。「楽しく帰ってこられてよかったねぇ」と思わず言ってしまった。
 うん、こういう自然な形の下校とお友だちとの関わりがね、できるといいな、と思っていたんだよ。

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6月12日(火)

 このところ、昇平は安定している。新学期になって、学級には新入生が来たし、協力学級の担任は変わったし……で落ちつかなかった昇平だけれど、ようやくそれにも慣れてきたらしい。勉強にもしっかり取り組むようになってきた。
 今日の宿題は、算数のプリントと、ズックの紐結びの練習だった。クラスのL子ちゃんが解けた靴紐をさっと結び直すのを見て、「ぼくの今日の宿題は紐結びの練習にして!」と自分で言い出したらしい。そんなふうに、お友だちのすることを見て、自分もそうなりたい、そのために頑張りたい、と考えるようになったのは、本当に素敵なことだな、と思った。学校という場所の一番すばらしいところだと思う。

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6月13日(水)

 算数の分数の問題は終わりが近づいてきているらしい。最初は手こずっていた通分だけれど、今は、通分しての足し算も引き算もやり方を飲み込んで、間違いなくできるようになった。――が、昇平が寝てから宿題を見たら、答えの約分を全部忘れていた。う〜ん、宿題をやったら、すぐにチェックしてやらなくちゃ。
 学校では英語活動があったらしいけれど、ALTと「I like...」の練習をした後、昇平が真っ先に手を上げて、「I like swimming.(アイ・ライク・スイミング)」と堂々と英会話を発表したらしい。なるほど、失敗したら恥ずかしいとか、他の子がまだ手を上げてないから上げないとか、そういうことが気にならないと、こういう場面ではプラスに働くのね。(笑)

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6月14日(木)

 今日は、プールの時間にゴーグル使用禁止が決まった話を朝の会で聞かされて、昇平が大パニックを起こし、どうにも気持ちが切り替わらなくなって、病院で処方されているリスパダール(安定剤)を頓服したらしい。そうしたら、すぐに落ちついて、その後、一、二校時目はなんでもなかったけれど、三校時の終わり頃に椅子から落っこちそうなほど眠そうな様子になったのだという。
 昇平は最近、あまり大パニックを起こしていない。久しぶりに自分でもどうしようもないパニックを起こしてしまって、落ちついた後で、どっと疲れが出てきたらしい。
 帰宅してからも落ちついていたけれど、夜は疲れたようにゴロゴロしていて、早くから眠そうになっていた。
 パニックは起こしている本人が一番つらいんだよね。お薬の助けは借りたけれど、早めに落ちつけて良かったね。

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6月15日(金)

 昨日大パニックを起こしてしまった反省の気持ちがあったんだろうか。ドウ子先生が出張だったにもかかわらず、他のお友だちのもめ事にも首を突っ込まず、落ちついて一日過ごしていたらしい。
 夜、また「昭和の日」。風呂上がりにテレビをつけたらアニメ「天空の城のラピュタ」をやっていて、とうとう最後まで観てしまった。昇平がこの作品を観るのは初めて。意外なほど内容をよく理解して、登場人物の気持ちや成長ぶりまでしっかり把握していて、隣で一緒に観ている私は、昇平の反応の方に感心させられてしまった。

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6月16日(土)

 図書館から借りてきた本を読んでいる。寝る前には写真の豊富な科学本。今回は、「カタツムリ」と「「ギフチョウ」を昇平が選んだ。シリーズ物なので、鉱物や火山、鍾乳洞、氷や砂漠と、ずいぶんいろいろ読んできた。
 「昭和の日」に読んでいるのは長い物語の本。今回は「ガリバー旅行記」を選んだ。挿絵は多いものの、あまり内容を省略していない長めのものを選んだ。案の定、すぐに物語の世界に夢中になって、小人の国にやってきたガリバーの様子や行動を楽しみながら聞いている。
 昨日、映画「ラピュタ」を見ていたときの様子からも感じたけれど、最近、昇平は本当に物語や場面を理解するようになってきたと思う。現実社会はアニメや本よりは情報量が多いし、出来事もわかりにくいことが多いから、まだまだ場面が読み切れないことが多いけれど、それでも、「今○○ってしたのはこういうこと?」なんて、自分なりに読みとった場面を確認してくることが増えてきた。いろいろとわかってきているんだなぁ、と物語を通じながら感じている。

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6月17日(日)

 日曜参観があったので、旦那と見に行った。「楽しい給食」というテーマの生活の時間。ドウ子先生手作りの紙芝居で、どこかの小学校で子どもたちが給食を食べる様子を見せて、その中の問題点を子ども自身に気づかせ、その後、実際のゆめがおか2組の子どもたちの給食の様子をビデオで見せて、はたしてどうだったか考えさせる――というもの。
 なにしろ衝動性があって、気が散りやすくて、すぐに話が脱線していく子どもたちのこと。こういう「話し合い」の授業はさぞ大変だろうと思うし、学年も1年生から6年生までと幅があるのに、それを掌握してテーマについて考え続けさせていくのだから、ドウ子先生はすごいなぁ、と改めて思ってしまった。昇平も、途中おしゃべりが止まらなくなったり、お友だちとトラブルになりかけたり、と少々あったけれど、なんとか切り抜けて、後はまた落ちついていた。
 昇平は給食中に立ち歩きをしていたが、それよりもビデオで大映しになっていた「口にいっぱいご飯を詰め込む」食べ方の方を自分で恥ずかしいと思ったようで、それを直したい、と最後に目標として書いていた。何度言われても、本当になかなか改まらなかった食べ方だけれど、これでようやく改善するかな?
 最後に、先日のカレーパーティ交流会で発表してくれたダンスも踊って見せてくれたけれど、昇平とL子ちゃんは、さすがに6年生の貫禄で上手に踊っていた。体の協調運動に難がある昇平が、ここまで踊れるようになるっていうのはすごい、とも思った。
 参観日を通じて、「最上級生の自分」をまた再実感したのか、家に帰ってからも、なんとなく大人っぽい行動や考え方を見せていた昇平だった。

 今週は、大パニックを起こしたり、若干の出来事はあったものの、全体としてみれば、ずいぶん安定して過ごせるようになったと感じた。

[07/06/18(月) 14:03] 学校 日常 療育・知識 発達障害

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