昇平てくてく日記2

小学校高学年編

7月(4)〜夏休み本番

7月23日(月)

 夏休みに入る少し前あたりから、昇平がやたらと「○○はどうすればいいの?」「△△してもいい?」「××するよ」と、私に行動の許可を求めることが増えてきた、と感じていたが、夏休みに入って一緒にいる時間が長くなると、それがますます顕著に感じられるようになった。
 そんなにいちいちお母さんの許可を求めなくていいよ! と言いたくなるし、なんだか「指示待ち症候群」みたいで気になっていたけれど、ふっと気がついた。
 昇平は、もしかしたら、自分の判断で行動しようとし始めている? でも、それが本当に正しいかどうかわからないから、それで一つ一つ母親の確認を求めている?
 指示待ち、ともちょっと違うのだ。自分のやろうとすることを確認している――そういう感じ。
 今までは、自分がやりたいことは即やる、で、それをやっても良いかどうかなんて、全然気にしていなかった。何も言わずにあっという間に行動に移るから、それを引き止めるのにこちらは必死だった。
 まあ、一つ一つの行動に承認を求められるのも、それはそれで大変なのだけれど、考えてみれば、同じ行動に対してそのたびしつこく確かめられるわけでもないし。たぶん、それを積み上げていくうちに、自分がどう行動したらいいか、を獲得していくことができるんだろうな。
 認知能力に部分的な困難がある昇平。それでも正しい行動をしなくちゃいけない、と考え始めた苦心の策が、これなのかもしれない。

 午後から水泳記録会の練習のため、学校プールへ。終わると学校の公衆電話から自分で電話をかけてくるので、ずっと車で待っている必要もない。楽になったなぁ。

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7月24日(火)

 今日は午前中に水泳記録会の練習。連日泳いできたので、こんがりいい色に焼けている。寝るときにそう言ったら、「えっ、そう?」と嬉しそうに私の腕の色と比較して確かめていた。こんなふうに「見た目」をほめられて喜ぶ、というのは珍しい。毎日がんばってきた証しとも感じたかな?
 チャレンジの赤ペン先生(まとめテスト)を4ヶ月連続で提出するとごほうびがもらえる。それが目当てで今まで欠かさず提出していたのだけれど、気がついたら今月は24日になっていた。まだ日にちはあるから大丈夫だよ、と言ったのだけれど、昇平はあせって自分から赤ペン先生をっやった。今までならパスしてきた、難しい挑戦問題にも取り組んでいた。(でも、間違っていたみたいだけど。苦笑)
 まあ、本当に、いろいろなことにがんばっている6年生、かな。明日は水泳記録会の本番だ。

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7月25日(水)

 いよいよ記録会当日。詳しい様子は、前回臨時で載せた「水泳記録会」の記事で読んでもらうこととして、とにかく、最後までがんばって泳ぎ切った昇平だった。
 終わってから、父と母と兄ちゃんと四人で外食に出た。(珍しく、父も兄も休みで家にいた。それぞれ午前中には用事があったけれど。) がんばったごほうびはラーメンだった。暑い日に熱いラーメンというのも、なかなかおいしかった。

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7月26日(木)

 今日は午前中、学校プールがあった。「今日からは好きに遊んでいいプールだよ」と言うと、「やったー!」と嬉しそうな顔。天気が悪くて参加者も少なくて、昇平は大きなビート板を占領して、悠々と遊んできたらしい。
 休み中のパソコン時間を一緒に話し合って決めたら、それをしっかり守ろうとしている。プールだなんだと出かけるので、普段よりもパソコンの時間が少ないくらい。パソコンもゲームもダメ、という時間帯はさすがに暇をもてあますけれど、夕飯の支度を手伝ったり、ゲーム機形式の問題集(チャレンジの付録)だけはやって良いことにしているので、暇つぶしにやっている。……夏休み中、こんなことやっていたら、勉強まで得意になっていたりして? って、それはまずないだろうな。(笑) 本当は自分から読書でもしてもらいたいところなのだけれど、今のところ、その気配はない。

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7月27日(金)

 夏休みに入って、昇平がなんだか少しずつ変わってきている気がする。気がつくようになってきたというか、私が食卓に着こうとすると、「はい、どうぞ」と自分から皿を出してくれたり、自分に向けていた扇風機を、席を離れる際に母に向け直してくれたり。
 今朝も、先に階下に降りた昇平に「顔洗って、神棚を拝んだ? おじいちゃんとおばあちゃんに朝の挨拶はした?」と確認したら、「ちゃんとしたよ。完璧ですよ」切り返された。そばでそれを見ていたおばあちゃんが、「本当に全部やって完璧だったわよ」と証言。うーん、完璧でしたか。なんか、本当にますます大人びてきた感じだわね。

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7月28日(土)

 暑い、暑い、暑い!!! この夏一番の暑さ!
 本当は昇平と自転車で中学校近くまで行く練習をする予定だったけれど、あまりの暑さに負けて今日は取り止めてしまった。
 日中、32℃以上もある部屋にずっといたら、私は脱水症状を起こしかけたようで、夕方ふらふらになってしまった。あわてて自販機でカルピスウォーターを買って水分補給。麦茶や水はこまめに飲んでいたつもりだったけれど、そういうものでは充分には水分がとれなかったらしい。昇平は日中ずっと扇風機を独占していたので元気だった。
 土曜日なので、兄ちゃんが補講から早く帰ってくる。最近また「PSO」というゲームにはまりだしていて、昇平とチームを組んで一緒に遊んでいた。昇平も楽しそうだった。

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7月29日(日)

 家族全員が休みで家にいた。とはいえ、最近仕事が忙しかった旦那はお疲れモードで、どこにも出かけず、ただ参議院選挙の投票に行ってきただけ。
 昇平は、お父さんと兄ちゃんと三人で何度も「PSO」のゲームをしていた。こんなふうに家族とゲームができるのも週末だけなので、今日はゲームの時間枠を外して、好きなだけやって良いことにした。父と一緒なら、そう長時間にもならないから。
 夜、私が疲れて布団に横になっていたら、昇平が同じ部屋にやってきて、ぶつぶつひとりごとを言いながら遊びを始めた。ぶつぶつ――いや、べらべら、というほうが正確か。とにかくうるさい。注意すると、その時には声が小さくなるけれど、間もなくまた、大きな声でのひとりごとになっていく。あまりうるさいので、とうとう隣室に避難した。
 就寝直前に、テーブルの上をふと見たら、デパケンの薬包が手つかずで残っていた。夕食後に薬を渡すのを旦那に頼んでいたのだけれど、ちゃんと飲んだかどうかまでは旦那も確認していなかったらしい。デパケンには衝動性を抑える効果がある。しゃべりながら遊びたい、という衝動性を抑えられなかったのだろう。どうりで……と納得してしまった。

[07/07/30(月) 07:33] 学校 日常 発達障害

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