昇平てくてく日記3
中学校編
当たり前ことなんだけど……
私は最近、長男の影響でGReeeeN(グリーン)というグループのアルバムを聴いている。特に、ここ一週間ほどは、最新アルバムをエンドレスでかけっぱなし。
そうしたら、同じ部屋にいた昇平が言った。
「この曲、この前テレビのCMでやったよ」
「へえ、何のCMだった?」
「う〜ん、忘れた」
そんな会話をしたのは、数日前のこと。
すると、今日の午後、隣の部屋から昇平が飛んできた。
「今、またテレビであのCMをやったよ。ランチパックのCMだった」
ちょうどそのアルバムをかけて始めていたから、
「ああ、これだね」
と言ったら、
「う〜ん、これかなぁ? ♪♪♪っていう歌だったんだけど」
と昇平はまた首をひねった。残念ながら、口ずさんだメロディがはっきりしなくて、どの曲かよくわからなかった。
ところが、アルバムの2曲目になったら、また昇平が隣の部屋から飛んできて言った。
「これ! この曲だよ!」
『またね』というタイトルの曲だった。
ただそれだけの出来事。ただそれだけのやりとり。
だけど、昇平は自分で気がついたことを私に伝えに来てくれた。隣の部屋から、わざわざやってきて。
そして、自分のことばを使って、私にわかるように説明してくれた。フレーズを歌ってみせる、なんて補助手段まで使って。
気がついたこと、感じたこと、心動かされたこと。それを伝えようとした。自分から、母に。
当たり前のこと。本当に、当たり前なことなんだけど……。
それは、昇平という子どもにとっては、ものすごい発達の軌跡だ。
幼い頃、母を呼ぶことさえしなかった子が、今、こうして自分の想いを積極的に伝えてくれている。母にわかるように。相手に通じるように。一生懸命、その方法を考えながら。
当たり前なやりとりをかみしめながら、ああ、これが私の子育ての目ざしていたものだったんだよなぁ、と改めて思った。
自分の気持ちを伝えられるようになった昇平。本当に成長したね。
母は嬉しいよ。
[08/08/15(金) 18:34] 家庭