昇平てくてく日記3
中学校編
夕食の席で
今日の夕食の時の話。
おばあちゃんがスパイスを効かせたチキンステーキを作ってくれた。
ところが、火加減がうまくいかなかったのか、皮がフライパンにくっついてしまって、きれいに焼き上がらなかった。おばあちゃん、がっかり意気消沈。「すごくまずそうだけどね」と食卓に出して、「味はどう?」と昇平に聞いた。
昇平、一番にチキンステーキに手を出して、「ものすごくうまい! もう最高!」
おばあちゃん、思わず苦笑して「そう? おばあちゃん、失敗したからもう二度と作らないようにしようかと思っていたんだけど」。……実は、おばあちゃんは本気でこう考える人。だから、私もなんとフォローしたものかと考えあぐねていたのだけれど。
すると、昇平、元気にステーキをほおばりながら、「ほっぺたが落ちそうだよ! おばあちゃん、また作ってね!」
おばあちゃん、とうとう笑い出してしまった。「そんなふうに言われると、おばあちゃん、また作ってあげようかな、って気持ちになるなぁ」
実際のところは、皮が剥がれて少し見た目が悪くなっただけで、味の方はまったく問題がなかったのだから、昇平だって嘘を言ったわけじゃない。でも、あの昇平がそんなふうに一生懸命おばあちゃんをフォローしたことに、なんだかすごく感心してしまった。後でおばあちゃんと一緒に洗いものをしながら、「昇平も大人になったねぇ」と話し合った。
うちの子どもたちは、兄ちゃんも昇平も、おばあちゃんが大好きだ。おばあちゃんがこんなふうにがっかりしてしまった時、兄ちゃんもよくおばあちゃんを励ましたり慰めたりしていた。
今、昇平も同じようにおばあちゃんに接するようになってきたのを見て、「大家族ってのも悪くないなぁ」と考えている。
[08/10/30(木) 21:22] 家庭