昇平てくてく日記3
中学校編
フリースクール利用日
春休みも昇平は「おおむね」規則正しく生活しています。時々、朝8時過ぎに起きてきたり、夜11時過ぎまで起きていたりしますが、そのあたりは許容範囲でしょう。長期休暇の過ごし方がすっかり身についているので、こちらとしてもあまり苦労しなくなりました。
勉強面では、「整理と対策」という学校で一括購入した教材の発展問題を解いています。英語は母と一緒にやっています。今回はこれが重点教科。ファンタジーの読み聞かせもまたやっています。そろそろ自分で読んでもらいたいところですが、どうしても長編は大変らしいです。短い作品なら自力で読むようになってきたのですけれどね。
今日は大好きなフリースクールの利用日でした。去年の夏から長期休業中に1、2度行かせてもらっています。宿題をやって、ゲームをやって、スクールを利用している他のお子さんと交流して……。今日は近くのコンビニに昼食を買いに行ったそうです。パスタを買って、ちゃんと温めてもらい、別の種類のパスタを買ったお子さんと少しずつ交換して味見をしたとか。こういう何気ない体験が、昇平にとってはとても貴重です。
以前、昇平に合った関わりの場所というものがあればいいのに、と考えたことがありました。
人と関わることが不得手で、社会性の発達が遅れている昇平ですが、それでも成長に伴って、少しずつ友だちを求めるようになっていました。ところが、それに見合うだけの交流の場所がなかったのです。運動神経も悪いので、部活動やスポーツクラブには所属できないし、では文化系の部活動で……とパソコン部に入ったけれど、内容的に昇平に合わなくて結局行かなくなり、たまの週末にクラスの子は遊びに来てくれるけれど、せいぜい1人か2人。もうちょっと多くの人と関わらせてあげたい、それも、できれば親がかりでない場所で――と思っていたのですが、どうしてもその場所が見つかりませんでした。
いろいろな年代の子と関われる場所。自力でうまく関わるのが難しいときに、きちんと目配りして手助けしてくれる大人がいる場所。同年代の子なら当たり前に経験してきているようなことを、遅ればせながら経験することができる場所。
発達障害を持つ子を取り巻く今の環境は、決して恵まれているとは言えません。必要なものはわかっているのに、それが身近などこにもない、というのが現実です。わかっているだけに、本当に苦しい想いをします。
それでも、諦めずに求め続けていたら、フリースクールという、正規とは違ったルートのところから、支援の手が差し伸べられてきました。渡りに船とは、まさしくこのことです。
春休みは短いので、次のフリースクールの利用は夏休みになりますが、昇平は今からとても楽しみにしています。去年の夏休みは台風でキャンプが中止になってしまったので、今年はちゃんとできると良いな、と思います。そんなこともまた、昇平には本当に大事な経験です。
学校でも家庭でもない場所。子どもが大人になっていくためには、そういう「第三の場所」が大切です。
大人になっていくために当たり前の経験ができる場所を、これからも大事に利用していきたいな、と思っています。
[10/03/31(水) 16:21] 地域社会