昇平てくてく日記3
中学校編
面接練習開始
今日はスクールカウンセラーのA先生との相談日だったので、中学校へ行ってきました。
今回のテーマは、なんと言っても「面接練習の開始について」。前回の相談で、昇平が受験に不安を感じていることを話したところ、「早めに準備を始めましょう」ということになって、受験科目である面接の練習をすることになったのです。
面接の練習と言っても、受験のためだけのものではなく、将来社会に出るときにも役立つような、また、昇平自身が自分を知っていくためのステップになるような、そんな場にしたいのだ、とA先生からまず話がありました。
昇平の特性についても、A先生はいろいろ配慮して計画してくださっていて、「毎回、昇平くんの姿勢の写真を撮って、本人に確認させてあげたいのですが、よろしいですか?」と聞かれました。視覚認知優勢の昇平に、自分がどう見えているかを客観的に認識させるための練習ですが、同時に、「昇平くんなら、そういう場面の途中で姿勢が崩れるようなことがないでしょうから、自分の良いところを知っていくチャンスにもしたいのです」と説明がありました。おぉ!
いくら視覚認知がすぐれていても、自分の「悪いところ」を見せられたら、誰だって面白くないし、やる気がなくなってきますものね。「ほら、こんなに良くできているんだよ」と見せられた方が、モチベーションは絶対に上がります。なるほど。
「昇平くんには好きなキャラクターはありますか?」とも聞かれました。目標になることをがんばれたときには、表にシールを貼っていくようにしたいのだと言われて、即座に「ポケモンです!」と答えました。本人は今ポケモンに夢中だし、ポケモンの「進化形」を使えば、自分が上達しているとわかりやすいと思います、と答えると、先生のほうでもさっそくそれをメモされていました。
そのうち、ポケモンバージョンのがんばりカードが登場するかもしれません。
お母さんから面接練習に要望はありますか? と聞かれたので、昇平が自分の想いを上手に言い表せなくて、イライラしたり、自分に絶望したりすることがよくある話をしました。本当はいいたいことがあるのに、自分の中に、それをうまく言い表すことばが足りなかったり、適切なことばが、とっさに出てこなかったりするのです。それでもなんとかうまく話したいと思う余り、最近は話を「完璧に」言おうとこだわるようになり、途中で話に詰まると「俺はどうしてこう話が下手なんだ! 俺はダメだ!」と怒るようになっていました。
そうではなく、話というのは、もっとフレキシブルでいいのだということを、本人が知ってくれれば、と思っています、という話をしました。A先生も、気持ちや想いを伝えるものには言語性のものと非言語性のものがあって、ことばがうまく出ないときには、非言語性のもので表現していいのだということを教えてあげたいと思います、と言ってくださいました。
初めての面接練習は、私との面談が終わった後にありました。
帰宅した昇平に「どうだった?」と聞いたら、「面接では姿勢良く座ればいいんだよ、って言われた」と教えてくれました。その声が自信に満ちていたので、ああ、良いところをほめられて、これからも頑張る気になったのだな、とわかりました。
他にも、うまく言えなかったときには「間違いました」と言って、言い直せばいい、とも教えてもらったとのこと。さっそくこちらの要望も取り入れてもらえたのだなぁ、と嬉しくなりました。
昇平の面接練習は、これからも月に1〜2度の割合で続く予定です。私には10月頃に中間報告をしてもらえるとのこと。
イベントのたびに大きく成長するのが昇平です。受験のための練習ですが、この練習を通じて、昇平はまたいちだんと成長していくのだろうな、と予感しています。これからの彼の変化が、とても楽しみになりました。
[10/07/14(水) 22:58] 学校