昇平てくてく日記3

中学校編

昇平3行日記・3

10月11日(月)
 体育の日、晴天。午後から私と英語の予習をする。
 疲れて途中でぼーっとして、休憩時間に15分くらい昼寝していたけれど、嫌なことを思いだして固まることは非常に少なかった。
 やっぱり、その時の精神状態に関係があるのかも。

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10月12日(火)
 朝起きたときから不調だったので、安定剤を飲ませて学校へ送り出したが、一日落ち込みがひどくて授業にならなかったらしい。
 夕方学校へ行って、今の昇平は鬱の初期に近い状態だと思うこと、がんばれと励まさないでほしいこと、これ以上トラブルが続くと学校に来られなくなるので、パニックを起こす場面をできるだけ減らしてもらいたいこと等を担任と話してきた。
 担任も本当に熱心で良い先生なのだけれど……昇平も一生懸命なのだけれど……なんとか良いほうに行ってくれますように。

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10月13日(水)
 昨日よりは元気に登校。
 学校では、表情がいつもより硬く口数も少なかったが、パニックや不安定はなく、まあまあ落ち着いて過ごしていたらしい。
 早く「ぼくは学校でも大丈夫だ」と思えるようになるといいね。

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10月14日(木)
 今朝もかなり沈んだ感じだったが、なんとか登校。
 学校では、実技教科が多かったこともあって、比較的楽しそうに過ごしていたらしい。
 家に帰ってくると元気なんだけれどね……。

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10月15日(金)
 今朝は起きたときから非常に精神不安定で、初めて「学校へ行きたくない」と言い出した。
 まず安定剤を頓服させ、落ち着き始めてから、休むとしたら家で学校と同じ時間勉強をしなくてはいけないこと、それはきっと大変だと思うこと、学校でも調子が悪ければ(調子が良くなるまで)何もしなくていいこと、元気になるまでそっとしておいて欲しいと担任の先生にもお願いしてあること――を話して聞かせた。
 30分くらいかかって、やっと登校する気になったので、朝食を食べさせ、車で学校まで送った。

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10月15日(金)追記
 結局昇平は1〜3校時目は隣の多目的教室で寝ていて、4校時目からやっと授業に参加できたらしい。
 眠くなったのは安定剤の副作用もあるとは思うけれど、じゃあ、落ち着かないまま登校できたかといえば、それは絶対に無理だった。
 学校へ行くことに不安や心配を感じなくなるための支援がまず必要だ。――ずっと訴えてきていることだけれどね。

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10月16日(土)
 家庭での支援として、週末に勉強を見ることにした。土曜日は私が国語と英語を1時間ずつ、日曜日は家庭教師が数学を私が英語を1時間ずつ。
 不登校(ぎみ)の子どもの対応として、「家庭で充分休養させる」というのがあるのだけれど、昇平に必要な対応は、それとはちょっと違うような気がする。勉強がわからないこと、自分で自分をコントロールできない状況になることがつらくて、不登校になりかけているわけだから。「わかる」「できる」の経験を積み重ねることが必要。
 国語は万葉集の句の場面をお得意のイラストで再現してもらった。英語も先週の続きで、とてもよくできた。自信がついた昇平は積極的で、とうとう一度も寝なかった。

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10月17日(日)
 今日は数学と英語を勉強した。
 家庭教師には、昨日のうちにメールで昇平が落ち込んでいることを伝えて、自信が持てるような指導をお願いしたところ、得意の計算問題中心で進めてくれたらしい。
 「わかる」「できる」の実感を少しずつ持ち始めている昇平。「ぼく、今日はがんばったよね」と言った顔が晴れやかだった。

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※書くネタがないから、と三行日記を始めたはずが、思いがけなく大波の記録になっています。昇平の不安定さはもうしばらく続くだろうと思いますが、大人になっていくための思春期の、ひとつのプロセスのかもしれません。不登校にならないよう、自分を信じられる人間になっていけるよう、支援し続けようと思っています。
 それにしても、全然三行じゃ収まっていない日記ですね。申し訳ありません〜。(苦笑)

[10/10/18(月) 09:13] 3行日記

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