昇平てくてく日記3

中学校編

受診をして

 昨日更新した先週の日記だけでは、心配される方が多いだろうと思うので、月曜日に受診したときの様子もご報告します。

  ☆彡☆彡☆彡☆彡

 月曜日は週末の学校祭の振り替え休日だったので、昇平と一緒に病院へ行って、主治医に相談してきました。
 昇平は、時々ことばが出てこなくて悩む場面はあったものの、最近急に頭に嫌なことが浮かんできて、頭の中がいっぱいになって他のことが考えられなくなること、そうすると勉強もできなくなってしまうこと、つらくて悲しくてしかたないことを、自分の口から報告しました。主治医の質問に答えて、嫌なことというのは「死ね」だとか「殺す」だとかいうやりとりだということや、他のことが考えられなくなるのは10分間くらいだということも、ちゃんと伝えることができました。私がその頻度や、本人が落ち込みやすい場面などについてを補足。
 話を聞いた主治医は、なるほど、というようにうなづいて、「鬱(うつ)というわけではないけれど、嫌な考えで頭がいっぱいになることが、もっと楽になるようにね」と軽い抗鬱剤が処方してくださいました。

 昇平が診察室を出てから話を伺ったけれど、昇平の今の状態は、やはり、本人が成長して周りが見えるようになったことから起きているようです。周囲と自分が比較できるようになったので、「自分はみんなより劣ったダメなヤツなんだ」と自信を失ってしまったし、周囲に目が向くようになったために、「世の中は恐ろしい人や出来事がたくさんある場所だ」と感じて怖くなってしまったんですね、と言われました。
 お薬以外に、家庭や学校でどう対応したらよいかを尋ねたら、「昇平くんは何も悪いことはしていないんだよ」と安心させてあげることや、本人が混乱したり誤解したりしていることを、「そうじゃなくて、こういうことなんだよ」と教えてあげることをしていってください、と。それは全部、私がすでに始めていたことだったので、方向に間違いがなかったことが確認できて、私としては少しほっとしました。

 やはり、「わかる」「できる」「大丈夫」をたくさん感じさせて、本人のセルフエスティームを上げること。
 不安や心配がフラッシュバックしてきたときには、それにしっかり耳を傾け、混乱を丁寧にほどいて、本人が納得できるように説明していくこと。
 鬱の患者に接するのと同様に、頑張れとはっぱをかけるのは厳禁。
 本人が安心して学校へ行けるように、無理はさせずに、でも暖かく応援していくこと。

 これは長い取り組みになると、覚悟が決まりました。
 本人の成長に寄り添って、これからも根気強く、でも、肩に力が入りすぎないように、支援を続けることにします。


 昨夜は、学校が始まるというので昇平がまた不安定になって眠れなくなり、安定剤を頓服させても1時ちかくまで寝付けずにいました。
 今朝は焦らず怒らず本人を起こし、本人のペースで朝ご飯を食べさせ、帰りに一緒にスーパーに回って買い物をすることを約束して、車で学校まで送りました。日中は学校でかなり眠いはずですが、今日を休めば、明日もっと学校に行きにくくなるのが見えているので、そこは先生方にも協力をお願いです。

 大人になる入口で、悩み苦しむのは、昇平だけではありませんが、発達障害をもっていると、その苦しさは倍増されてしまうのかも……とも思いました。
 それでも、これは昇平が自分の力で越えて行かなくてはならない発達課題です。
 我々大人は、それを支え続けることが役目なのですね。

[10/10/26(火) 09:09] 薬・療育

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