昇平てくてく日記3

中学校編

昇平3行日記・19

※全然3行で収まっていない3行日記。


1月31日(月)
 朝起き抜けや夕方、夜寝る前に発作的に嫌なことを思い出してしまうけれど、早めに薬を飲むことですぐおさまったり、軽い落ち込みですむようになってきた。
 今日は担任が休みだったが、数学で2問自分で問題を解き、体育ではバドミントンで体を動かして、しっかり過ごしていたらしい。家でもWii-fitでジョギングなどの軽いトレーニングを自分から再開したし、家庭学習も、まだ時間は短いが、毎日できるようになってきた。パソコンやゲームだけでなく、絵を描いて楽しんだりもしている。
 ゆっくりしたペースだけれど、確実に元気になってきたので、本当に良かった。
 私と一緒に9時半就寝。

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2月1日(火)
 大雪! 朝、昇平を学校へ送る前に、車庫の前の雪かきをしなくてはならなかった。

 昇平は朝は調子が良くないのだけれど、以前のように落ち込んで動けなくなるようなことがなくなったので、今朝も登校時間に間に合うことができた。
 今日は県立高校のI期選抜試験のため、授業は午前中だけ。L子さんが県立II期の受験願書を書く間、昇平は図書室で自習だったらしい。L子さんもプレッシャーには弱いので、願書作成の間に不安定になるかもしれない。そうなれば昇平もパニックを起こすので、最初から教室と図書室に分けておいた、ということ。この配慮ある対応が嬉しい!
 3校時目には英語の先生が図書室にいらして、一緒に試験の間違い直しをしたらしい。英語はいつも昇平の興味を引くようなとても良い授業をしていただいているのだけれど、いかんせん最近の昇平の状態が悪すぎて、試験の点数には結びつかなかった。昇平もがっかりしたようだけれど、それでも以前のような「ぼくはダメだ!」というパニックは起こさなくなった。落ち着けばきっと頭に入るようになるからね。この後も、高校の勉強のためにがんばっていこうね。

 疲れから夕方に不安発作を起こすことがわかってきたので、気分転換に夕食作りを手伝ってもらった。おでん、ほうれん草のバター炒め、大根葉とおかかのふりかけを、私の指導で作った。今まで包丁は使っていても、火を使ったことがなかったので、炒める手つきはまだおっかなびっくり。それでもちゃんとできあがって、自分で「うまい」と言いながら食べていた。料理をしている間は嫌なことはほとんど思い出さなかったので、これからもちょくちょく手伝ってもらおう。
 今夜は自分一人で、10時頃に就寝した。

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2月2日(水)
 昨夜寝るのが少し遅かったせいか、起き抜けの調子が悪そうだった。学校前の駐車場まで送っても、なかなか車から降りられなかった。
 午後1時半頃に学校から電話。「嫌なことを思いだした」と訴えてきたけれど、後ろからL子さんの高い声が聞こえていた。今度は彼女のほうが近づいてくる受験に不安になってきて、それにつられて昇平も不安定になってしまったらしい。ちょうど次は総合の時間だったので、薬を飲んで協力学級へ行くように言ったら、すぐに納得して電話を切った。

 次に電話があったのは午後3時半過ぎ。てっきり迎えの電話だと思ったら、床に置いた眼鏡を介助の先生が間違って踏んで歪めてしまったために、久々に罵詈雑言の大パニックを起こしたのだとわかった。学校も終わる時間だったので迎えに行くと、担任と介助の先生二人がわざわざ事情説明とお詫びに来てくださった。昇平は英語の授業の途中で疲れてストーブの前に横になり、その時に眼鏡を外して床においていたのを、介助の先生が気がつかなかった、ということだったらしい。
 昇平はまだ怒って興奮していたが、「間違いは誰にでもあるんだよ。昇平くんだって、間違って失敗したことにひどく怒られたり悪口言われたりしたら悲しいでしょう」と言うと、「あっ、そうだった。ぼくが間違っていた」とすぐ反省して、介助の先生に謝って仲直りすることができた。
 眼鏡はすぐ修理に出したが、昇平は帰宅後も不安定気味で、「疲れた」と言って9時前に寝てしまった。

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2月3日(木)
 朝はかなり学校へ行きしぶったが、車で送って、どうにか登校することができた。

 私は親の会の支部の学習会へ。心理のK先生の指導でエンカウンター・グループを体験した。親の会のメンバーは皆とてもよい人たちで、仲も良いので、集まって話すだけでいつも元気が出てくる。ここがあるから、私も毎日の子育てをがんばれるのかもしれない。

 学習会の後には昼食会と話し合いがあったが、その途中で昇平から迎えの電話がかかってきた。思いがけなく下校が早かったので、「お母さんはまだ勉強会だから、もう少し待っていてもらえる?」と言うと、「じゃ、自分で歩いて帰るよ」と言って電話が切れた。おかげで私は最後まで話し合いに参加できたし、予約の恵方巻きも受け取りに回ることができた。
 昇平の方は、重い鞄を背負って40分以上歩いて家まで帰ってきた。「疲れたー!」と言っていたが、機嫌は悪くなくて、ちょっと昼寝した後はとても元気に過ごしていた。彼が歩いて学校から帰れたのは、調子を崩してから初めてのこと。「自分にはこのくらいのことはできるんだ」と思って、少し自信を回復したのかもしれない。

 節分なので恵方巻きと蕎麦を食べ、鬼の面をかぶったおじいちゃんに昇平が落花生を投げて、豆まきをした。暦の上では明日から春。良い年が訪れますように。

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2月4日(金)
 落ち込みが軽い一日だった。朝と夜に薬は飲んだが、どちらもひどくなる前に先手を打つ形で、すぐ不安から復活したし、学校でも家でも落ち着いて過ごしていた。「L子さんが不安定で大声を出したけれど、今日は寝たふりをして、知らんぷりすることができたよ」と言っていた。
 学校では、いよいよ卒業式の練習が始まったらしい。残りの登校日はあと24日。いろいろあったけれど、最後まで中学校に通い通すことができそうだ。

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2月5日(土)
 週末。たっぷり寝てたので、朝の落ち込みはほとんど起こらなかった。

 11時頃から二人で福島市内へ。途中、携帯屋に回って、昇平の携帯電話の申込みをしてきた。ひとりで学校へ通うためには携帯は必須なので、その使い方を覚えるために早めに購入を決定。ただ、学割を申し込むのに学生証を持っていかなかったので、今日は購入できなかった。旦那の携帯も同時に乗り換えを申し込むので、後日改めて手続きに来ることにした。今日、携帯を持って帰れなくても、昇平は文句ひとつ言わなかった。

 その後、ゲーセンとマックへ。ゲーセンの機種が入れ替わっていて、昇平がやりたいゲームがなくなっていたが、怒りもせずに私をエア・ホッケーに誘ってきた。ついでにクレーンゲームにも生まれて初めてチャレンジ。もちろん、あっという間に終わってしまって、「思わず唖然とした」(本人談)が、これにも愚痴ひとつ言わなかった。
 マックでは、食べ始めようとしたところへ隣に赤ちゃんを抱いた家族連れが座ったので、すぐに「別の席に行こう」と私に言って、奥の席へと移動していった。実にスムーズでまったく問題なかった。
 さらにその後、私の用事で文具屋に回ったら、昇平は自分で手帳コーナーを眺めて、薄手のスケジュール帳を見つけてきた。「これから、こういうのが欲しくなるよね」と言うので、それも購入した。
 とにかく、いろいろな面で「大人になってきたな」と思わされるような行動が見られた外出だった。高校生になるんだ、という意識が、本人の行動を変えているのだろうな。

 夜には、昇平に頼まれて専用のブログを作った。昇平一人ではまだ管理できないので、私のブログ領域に設置して、一緒に管理しながら覚えてもらうことにした。今はまだ練習段階だけれど、順調に更新できるようになったら、アサクラ・タウンからリンクを貼ってあげることにしよう。

 修理に出していた眼鏡も無料で直ってきた。この件も、これで落着。

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2月6日(日)
 昨日に引き続き落ち着いた一日。
 勉強にはまだ集中できなくて、家庭教師と学習していても心ここにあらずという感じだったらしいが、それでも問題集を1ページ弱進めることができた。少しずつ元気を取り戻してきたから、今度は毎日の学習の習慣を取り戻していかなくてはね。高校で困らないように。
 午後も、本を眺めたりパソコンで絵を描いたりして穏やかに過ごし、とうとう一度もリスペリドンを飲まなかった。夜10時就寝。

[11/02/07(月) 08:17] 3行日記

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