〔17〕温泉旅行と夏祭り
8月8日(月) 今日は先生の会議日でフリースクールは休みだった。
このところ、昇平が夜布団に入ってからいろいろ考えて寝られないことが増え、それも嫌な考えが浮かんでくるので涙ぐんでいて、翌朝は寝不足のためにまた不調になる、という悪循環が続いていたので、病院へ相談に行って、弱い睡眠薬を処方してもらった。本人自身、夜がつらいので、診察室では自分から喜んで症状を話していた。
私も昇平が泣いていると気になって眠れないので、睡眠不足気味。これでよく眠れるようになってくれるといいのだけれど。
昇平の電車の定期が今日で切れた。この後、試験のために学校へ行く日はあるが、さほど回数は多くないので、いろいろ計算して、後期授業が始まるまでは回数券を使うことにした。病院の帰り道に駅に回って回数券を購入。でも、30分の電車で片道500円以上というのは、やっぱり高い。とはいえ、バスでは片道千円以上かかってしまうのだから、電車のほうがまだお得。交通過疎地は公共の乗り物が高いので大変だわ。
昇平の眼鏡のフレームが昨日突然壊れたので、眼鏡屋にも回ったけれど、ご主人が仕事で外出中だったので、これはまた後日ということにした。スペアの眼鏡があるから、とりあえずは大丈夫。買い物をして帰宅した。
明日、福島市の飯坂温泉で一泊の集まりがあるので、夕方、兄ちゃんが関東から帰省した。震災後、初めての帰省なので、二階部分を取り壊して低くなった石倉などを珍しそうに眺めていた。
夜、昇平は処方された睡眠薬を飲んで就寝。15分くらいで眠気を催してくると言われたけれど、眠くならなくて、15分後に「まだ眠れない」とメールをよこしたので笑ってしまった。結局、本当に眠くなって寝たのは1時間以上後のことのようだった。
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8月9日(火) 震災で延期になっていた私の両親の金婚式のお祝いのために、飯坂温泉へ。私の妹弟の家族も全員集まって、総勢14名の旅行になった。温泉に入って、宴会をしてカラオケをして、とごく普通の集まりだったけれど、そんなふうに皆が無事で集まれたことがなによりだと思った。
このところずっと休みなしだった旦那も、午後には休みが取れたので最初から参加できて、久しぶりにのんびり休むことができた。
ところで、宿泊先は当初予定していたのとは別のホテルだった。予定のホテルは、今回の震災や原発事故で避難している人や、支援の人たちの宿泊先になっていたため。今回泊まったホテルにも、一般客に混じって、山口や鳥取、奈良といった他県の警察の人たちが泊まっていた。飯坂温泉から国道115号線を通って、小一時間かけて、浜通りの相馬の避難地域の警戒に向かっているのだという。ホテルの人に聞いたら、数日交替で、日本各地の県警から応援の人が来ては、飯坂温泉のホテルや旅館を拠点に、支援活動を行っているらしい。
今もまだ全国から助けられているんだな、と改めて肌で感じてしまった。全国の県警の皆様、ありがとうございます。
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8月10日(水) 温泉に来ているのだから寝坊してもいいはずなのに、習慣で、やっぱり5時前には目が覚めてしまう。朝風呂を浴びて、ロビーでのんびりコーヒーを飲んだ。
7時に朝食だったが、昇平と旦那はその後また8時半まで寝ていた。兄ちゃんは従兄弟のSくんと将棋をして遊んでいた。
9時にチェックアウトして、飯坂温泉にある片岡鶴太郎美術庭園を見た。独特の美しい色遣いの墨絵の数々。芸人としての鶴太郎のほうが有名だけれど、芸術家としての才能もすごい人だとつくづく思った。
が、とにかく暑い!! この日、福島市は37℃近い気温だったようで、暑さに閉口して、予約してあった山の上の流しそうめん会場に早々に移動した。こちらはなんと気温19℃! まるで別世界のような涼しさの中、目の前に滝を眺めながら、湧き水の流しそうめんを食べ、目の前の池を泳ぐ新鮮なニジマスの塩焼きやクレソンの天ぷらを食べ……もう最高! 昇平と兄ちゃんは、ニジマスをお代わりしていた。
流しそうめん食べ放題「吾妻庵」→
http://azumaan.jp/index.html その後、兄ちゃんは福島駅前へ遊びに、旦那は仕事へ。お盆が目前だから一日は休めない。お疲れさまです。
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8月11日(木) 昇平はフリースクールへ。旅行があったので、一週間ぶりの利用日だった。友だちとゲームなどもして、楽しく過ごしたらしい。
兄ちゃんは昼過ぎにはアパートへ戻っていった。もう4年生だから就活も忙しい。これから運転免許も取らなくちゃいけないし、就活は厳しいようだし。なかなか大変だ。
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8月12日(金) 明日はもう盆の入りなので、家の掃除をした。
昇平は午前中いっぱい寝ていた。睡眠薬を処方されてから、ずっと様子を観察していたけれど、翌朝が起きられなくて、ずっと昼近くまで寝ている。昨日はフリースクールがあるので早起きしたが、やはりかなり眠そうだったし、実際、スクールでも遊んでいるうちに寝てしまったらしい。きっと、昇平に1錠では多すぎるのだろう。病院で言われたように、薬を半分にして試してみることにした。
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8月13日(土) 今朝は9時過ぎに起床。睡眠薬を半錠にしたら、ちゃんと起きられるようになった。よかったよかった。
寝付くときには、半錠にしろ、一錠にしろ、たっぷり1時間くらいはかかる。効き始めが遅くて、その分、効き目が長く続いているのかもしれない。今は夏休みだから良いけれど、試験や授業があるときのことも考えて、今のうちにちょうど良い使い方を見つけておかなくてはね。
夜はよく眠れるようになったので、以前のような不安定さは少しずつ減ってきたように思う。
盆の入り。夕方、皆で仏壇に線香を上げたが、同居の義父が毎年のお盆のやり方を忘れかけていた。義父ももう80歳。子どもが大きくなる分、親は歳をとっていくわけで、いろいろなことを思うお盆となった。
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8月14日(日) 今日も暑い。連日35℃を越す猛暑日が続いている。
そんな中、伊達市の夏祭りが行われた。
震災、原発事故と続いて、開催が危ぶまれたけれど、実行委員や地元の人たちが本当に頑張ったおかげで、踊り流しと魚つかみ大会が中止になっただけで、YOSAKOIや太鼓、オラトリオ(歌劇)の発表や出店、花火大会などは例年通りの開催になった。
実際には出店の数は例年の四分の一以下、参加者も例年よりずっと少なかったけれど、親子連れや赤ちゃん連れの夫婦、おじいちゃんおばあちゃんと一緒の家族連れや、浴衣の中学生たち、元気な高校生たちと、いつも通りの風景もそこここで見られて、なんだかすごく嬉しかった。
途中、夕立もあって、花火ができるかどうか怪しい空模様になってしまったけれど、開始30分前に雨も上がって、無事花火大会も実施された。慰霊と鎮魂の祈りを込めて、空に開く光の花。最後に恒例の尺玉十連発が上がったときには、思わず観客から拍手が湧き起こっていた。
昇平は携帯で花火の写真を撮ったり、おこづかいで焼鳥やチョコバナナを買ったり。父へお土産の焼き鳥を買ったり、私にもチョコバナナを買ってくれたり。とても優しい昇平だった。
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[11/08/16(火) 09:12] てくてく日記