昇平てくてく日記4

高校編

てくてく日記・111「L子さんが遊びに来る」

Dance_party_2
アジサイの一種の「ダンスパーティ」

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5/27(月)〜6/2(日)

月:スクーリング(体育)
火:フリースクール
水:スクーリング(ワープロ)、L子さん遊びに来る
木:フリースクール
金:病院(定期診察)
土:Tくん遊びに来る
日:休養日

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 水曜日は午前中で学校が終わったのだが、その帰り道で小中学校時代一緒のクラスだったL子さんと偶然出会ったそうで、久しぶりでL子さんが我が家へ遊びに来た。中学卒業以来なので、丸2年ぶりのことだった。
 中学時代、昇平はL子さんの大声が苦手で、それが元で何度もパニックを起こしたりして担任を大変心配させたが、実際にはこの二人は仲がいい。一緒にゲームを始めれば、2年間のブランクなんてなかったかのように、楽しそうに遊んでいた。男の子と女の子のわけなのだけれど、そういう意識はお互い全然ないようで、まあ本当に自然なこと(笑)

 それでも、隣の部屋でやりとりを聞いていると、2年前とは違っているところがいくつか感じられた。
 変化を感じたのはもっぱら昇平のほうなのだけれど、L子さんが大好きなアニメやゲーム情報を昇平に次々教えようとすると、「情報情報ってたくさん言われると、聞き取れなくてわけがわからなくなるよ。それより今はこのゲームに集中しようよ」と言ったり、彼女が楽しさのあまり興奮して「ケケケケ」と甲高く笑い出すと、「ちょっとうるさいよ。静かにして」と、それほど強い調子でもなく注意をしたり。以前はこの声が苦手で、聞いたとたんに怒り出したりしていたのに、そんなこともなくて、あらまぁ、ずいぶん大人な対応ができるようになったのね、と感心してしまった。
 以前の昇平ならば、ゲームなどで相手が自分の考えと違うことをすると、それが我慢できなくて、無理にやらせようとしてトラブルになる、というパターンも多かったのだけれど、今回はL子さんが自分の言うとおりにしてくれなくても、「そうじゃなくて――あ、まあいいか」とすぐに流していた。この「あ、まあいいか」は本当に何度も言っていて、おかげで4時間近く遊んでも、ついにただの一度もトラブルにならなかった。
 帰りには、互いに使っていないゲームソフトを貸し借りし合って、「またね」とL子さんは帰っていった。


 先週から今週にかけての、もうひとつの変化は、現実とフィクションの違いがようやく納得できるようになってきた、ということ。
 ゲームの中のキャラクターのセリフや、それを取り上げて騒ぐネットのやりとりを真に受けて、本気で心配したり怖がったりしてきたのだけれど、何がきっかけということもなく、急に「ゲームは現実とは違うんだよね。ゲームで起きるようなことは現実では起きないんだよね」と言うようになって、それと同時に、今までのように何かをひどく怖がるということもなくなってきた。
 金曜日が病院に定期診察日だったので、主治医に報告をしたら、「ようやく現実がわかってきましたね」と言われた。今も、折に触れ「現実とフィクションは違うんだよね?」と確かめてはくるけれど、いずれその確認もなくなって、納得していくんだろうな、と思っている。
 ゆっくりと、でも確実に、昇平は大人になってきているらしい。
 先週はとうとう一度もパニックを起こさず、起こしかけても、すぐに休むなどの対応をして、うまく乗り切っていた。
 

(2013.6.3記)

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[13/06/03(月) 10:28] てくてく日記

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