昇平てくてく日記4

高校編

てくてく日記・133「世界に安心して」

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ヒヨコとチョウチョのブーケ

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10/28(月)〜11/3(日)

月:スクーリング(体育)
火:スクーリング(家庭看護)
水:フリースクール
木:フリースクール
金:病院(定期診察)
土:墓掃除と墓参り
日:T君遊びに来る

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 悪に充ちている(と思えていた)世界を整理分類して、現実の世界ではそれほど怖いことが起きているわけではないんだ、と納得してから、昇平はとても安定してきた。

 今までは私のいる部屋から離れられなくて、ずっとそばで遊んでいたし、何かというと不安を口にしては、私と話すことで安定しようとしていたが、「悪の整理」以来、昇平は2階の隣室にお気に入りのものをいろいろ運び込んで、家にいるときにはほとんどずっとそこで過ごすようになった。
 元々そちらが昇平の部屋で、中学に入ったばかりの頃にはそちらで楽しそうに過ごしていたのだが、いつの間にか私のいる部屋にいることが増え、震災後には完全に私にべったりになって離れなくなってしまった。昇平の精神状態が非常に不安定になっていくのと、その過程がシンクロしていたので、不安が強かったために一人でいられなかったのだろうと思う。

 今、昇平が過ごしている部屋には、ゲーム専用のテレビが据えられていて、その前にファミコン互換機とお気に入りのゲームソフト、音楽や動画を聞くためのスマホ、お気に入りのゲームができる3DS、お絵かきの道具などを置き、「高さがちょうどいいから」と段ボール箱に板を載せて、そこでゲームをしたり絵を描いたりしている。一人のゲームに飽きたら3DSのオンラインプレイに参加して、どこかの誰かとグループを組んで楽しく遊んでいる。オンラインでのゲームは、最初のうちは場が読めなくて相手に嫌がられたりしていたが、オンラインプレイの「マナー」を教えたら、その後はとてもスムーズに遊べるようになった。
 昇平の年齢を考えれば、こんなふうに自分の部屋で好きに過ごすのは当たり前のことなのだが、ようやく一人の時間を安心して過ごせるようになったようなので、本当に良かったと思う。

 また、水曜日にはフリースクールでお友達の口癖をからかうようなことを言ってしまい(本当はからかったのではなく、二言目には「申し訳ありません」と言う彼の口癖が気になってしかたないので、気を紛らわせるために言ったのだそうだが)、それを先生に注意されたので落ち込んで、「○○くんにひどいことをしてしまった。明日はフリースクールを休む」と言い出した。そこで、「彼が申し訳ありませんって言うのは、相手に気を遣っているからかもしれないよ。それに対して、悪いことをしてしまったと思うなら、次は気をつければいいんだから。この世の中はやり直しができるようになってるんだからね」と言って送り出したら、「今日はちゃんと仲良く過ごせたよ!」と翌日は元気に帰ってきた。「○○くんは学校でいじめられてきたから、すぐ謝るような癖がついちゃったんだってさ。お母さんの言ったとおりだった」とも。
 トラブルの解決と仲直り・相互理解。世界に安心できるようになって、昇平は一歩一歩、着実に社会性をのばしているようだ。
 
(2013.11.4記)

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※現在パソコン不調のため、更新休止中。

[13/11/04(月) 21:39] てくてく日記

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