昇平てくてく日記4

高校編

てくてく日記・155「情動・共感への気づき」

Mienai2
見えない障害バッジ(詳細は本文下)

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4/28(月)〜5/4(日)

月:フリースクール
火:昭和の日
水:フリースクール
木:フリースクール
金:フリースクール
土:憲法記念日
日:みどりの日、郡山の祖父母の家へ

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 ゴールデンウィークだが、主人は連休を取れないので、日曜日に日帰りで郡山の私の実家へ行ってきた。弟一家も来ていたので、短い時間だったけれど楽しいひとときを過ごすことができた。


 火曜日に、昇平がこんなことを話してくれた。
「ぼくは今までは泣くのはすごく悪いことだと思っていたし、涙もとても怖かった。だけど、今はそういうものが良くも悪くも感情から生まれてくるんだとわかった。そういう気持ちの時には泣くほうが正解。そういうのっていいんだと思う。それに、自分もそれを見るとなんだか心が動く気がする。それは他の人も同じだと思うから、人間ってやっぱり優しいんだとわかった。それでいいんだと思うようになったんだよ」

 もちろん、昇平は一度にこんなにスムーズに話すことはできないから、考えながらつまずきながらだったけれど、時間をかけてこれだけのことを伝えてくれた。
 人の内面で動く気持ちの想像と理解、そして共感。他人は彼にとって未知の恐ろしい存在ではなくなってきたんだろうと思う。

 こういう目に見えない他人の気持ちの存在に気づき、それと同じものが自分の内側にもあることに気がつくことを、心理学用語ではなんと言うんだろう? 私にはよくわからないけれど、たぶん私は、昇平の「その瞬間」に立ち会ったのだと思う。

 もちろん、世の中にいるのは優しい人や正しい人ばかりではないのだけれど、「それはこれから覚えていくよ」とも言っていた。

 昇平はこんなことも言った。
「今はまだ意識して手動でやらなくちゃ(他人の気持ちの想像や理解は)できないけれど、そのうちにもっとうまくできるようになると思うんだ」

 本当に、私が教え諭す時期は終わったのだ、と痛感させられる。これからの私の役目は、自分で気がついて自分から動いていく昇平のことばを聞き、見守っていくことになるのだろう。
 昇平は家庭という港から社会の海へ出て行こうとする小舟。まだまだ頼りなくて危なっかしいけれど、同じように大海を旅するたくさんの人たちに見守って導いてもらえたら、と願っている。


【写真】
「わたしのフクシ。」の見えない障害バッジ。透明なリボンが見えない障害を表現しているが、なかなかお洒落でステキ。
ハートが付いた当事者用は昇平のバッグに、ハートのない啓発用は私のバッグにつけた。

http://watashinofukushi.com/?page_id=44

(2014.5.6記)

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[14/05/06(火) 15:58] てくてく日記

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