昇平てくてく日記4

高校編

てくてく日記・162「30倍のショック」

Medamayaki
母の留守中に祖母に教わって目玉焼きを作った

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6/30(月)〜7/6(日)

月:授業(美術)
火:授業(福祉)
水:授業(HR)
木:フリースクール
金:フリースクール→学校(就職準備講習)
土:休養日
日:休養日

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 昇平は情報からからショックを受けやすい。もちろん平気な情報も好きな情報もあるし、不注意が混在しているから、情報にまったく気がつかなかったりもするけれど、特に不安をあおるような文章や映像が目に入って認識してしまうと、普通よりはるかに強いショックを受けてしまうことがよくある。だから、昇平は普段からテレビのニュースは観たがらない。

 インターネットに書かれるコメントを本気に受け取りすぎて、「これから日本中に殺人事件が増えてしまうんじゃないか」と怖がったり(若者が多く集まるサイトや動画には過激なことば遣いのコメントが非常に多い)、近い将来に少子超高齢化社会がやってくる、という話を耳にすると「子どもが生まれなくなって日本は滅びるんじゃないか」と不安になったり。
 そのたびに私は「周りの現実をよく見て情報の真偽を確かめるように」と話して聞かせ(周りを見れば、殺人事件なんて起きていない。子どもだってたくさん見かける)、「不安をあおるようなことばは、人目を引くために使われているキャッチコピーなんだよ」と教えてきたけれど、そこに加えて最近は、「君は生まれつきデリケートで、人の30倍くらい感じやすいからね」ということを教えるようにしている。

 普通の人ならば何でもなくスルーするような事柄に、昇平ははるかに大きなショックを受けてしまう。それを「君は他の人の30倍くらい過敏なんだよ」という形で表現してみたら、本人としてもイメージしやすかったようで、「ぼくは人の30倍くらい不安になりやすいのか」と言いながら、自分自身の気持ちと状況を照らし合わせるようになってきた。
 もちろん、そんな風に教えると、「そんなショックを受けやすい自分はダメな人間だ!」とまず言い出すので(なにしろ30倍ショックを受けやすいから)、「感じやすいということは、感受性が豊かだということでもあるんだよ。感受性は画家や音楽家のようなアーティストには絶対必要なものだし、いろんなことによく気がつくというから、優しさにもつながるものになるんだよ」と話すと、「もちろん俺は優しいよ」とちょっと自信を取り戻したり。

 30倍という数字は、科学的根拠があるわけではないから、それが適当かどうかはわからないけれど、この話をしてから昇平は何かに驚いても、「そうだ。ぼくは人の30倍驚きやすいんだから、これは本当は30分の1くらいのことだと思えばいいんだよね?」と言うようになってきた。だから、「そうそう。そうなんだよ」と同意してあげる。
 自分自身の特性や特徴は変えられないけれど、そういうものを自覚して理解することで、「その直後の対応」が変えられてくるように思う。ショックは受ける。でも、間髪入れずに「実際には30分の1」と考えれば、すぐに動揺から立ち直れるようになる。
 今年の七夕の昇平の願い事は「パニックになっても短い時間で立ち直れるようになりますように」だったけれど、七夕本番の昨日、「そういえば、この頃本当に立ち直りが早くなってきたような気がする。星が願いをかなえてくれたのかな」と言った。
 もちろん、それは昇平自身ががんばった成果なのだけれど、星も力を貸してくれたのかな、なんて気もして、「うん、そうかもしれないね」と私は答えた。

(2014.7.8記)

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[14/07/08(火) 09:02] てくてく日記

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