昇平てくてく日記4

高校編

てくてく日記・168「親の会の子ども活動」

Kappa
入院中から肩を保護するために使っているカッパの抱き枕。かわいいので看護婦さんにも大受けだった。

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9/8(月)〜9/14(日)

月:休養日(フリースクールは休み)
火:フリースクール
水:フリースクール
木:フリースクール
金:フリースクール、買物、
土:ペアレントトレーニング学習会+子ども活動
日:漫画スクールのため仙台へ(最終)

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 土曜日に福島市内で親の会のペアレント・トレーニング学習会があった。今年度から、親が学習会に参加している間、子どもたちは「ルバート」という名称で子ども活動をしている。前回は別室で交流会(=好きなことをして一緒に遊ぶ)だったけれど、今回は学生ボランティアさんに同行してもらって、「自分たちだけでバスで福島駅の駅ビルへ行き、お昼を食べたりゲーセンで遊んだりする」というのが活動内容。昇平はともかく、親の車でドア・ツー・ドアの移動ばかりしている子も多いので、バスに乗ること自体が社会体験になる。

 この日の参加者は昇平も含めて4人で、全員が男の子だった。ところが、いざ出発する段になってちょっとしたトラブルが発生。K君がその日発売のゲームソフトを学習会の帰りに買いに行く約束をしていたのだが、それでは売れ切れてしまうかもしれないから今すぐ買いたい――と言い出し、お母さんに「だめだよ、帰りに行く約束だよ」と言われて落ち込んでしまったのだ。
 すると、子どもたちが取った行動は?

 昇平は落ち込んでいる彼の背中をなでてあげて「大丈夫だよ」と声をかけ、Y君は自分のお母さんと「駅前のイトーヨーカドーに行けば売っているかも」と話し合ってさっそく彼に伝えに行き、予定を変更してイトーヨーカドーにも回ってもいいだろうか、という相談の場になると、T君は「俺も欲しいものがあったら今すぐ欲しくなるから、K君の気持ちはすごくよくわかる」と言い、昇平も「自分もその気持ちはよくわかるし、自分はこの中で一番年上だから、どこにだってつきあうことができるよ」と言ったという。
 そこで、K君のお母さんはゲーム代をボランティアの学生さんに預け、バスに乗って駅に着いたら、イトーヨーカドー→ハンバーガーショップでお昼→ゲームセンターで遊ぶ というルートで出かけていった。
 結局、イトーヨーカドーに行ってもそのソフトは売っていなかったらしいけれど、K君も他の子たちも不満はなく、そのまま予定通りに遊んで、またバスに乗って学習会の会場まで帰ってきた。

 私たちは学習会に参加していたので、このやりとりを後からY君とK君のお母さんから聞いたのだが、「すごいね」「バスで出かける前から、すごくいい勉強になっていたんだね」と感心してしまった。
 人の気持ちを思いやることが苦手なはずの子どもたちが、「君の気持ちはわかるよ」と口々に言って、いたわったり譲り合ったりすることができたのだから、本当にすごいことだと思う。
 「まるで兄弟みたい」と言うお母さんもいたけれど、本当にそんな感じかもしれない。兄弟とまでは行かなくても、学校の友だちとはまた違う、自分とどこかよく似た友だち――そんなふうに互いに感じているのかもしれない。

 次回の学習会は親の忘年会と抱き合わせだから子どもの活動はできないけれど、その次の3月の学習会では、できたらまた今回のような「おでかけ」を経験させてあげたいね、と話し合った。もっとも、それ以前に11月には「芋煮会」、1月には「お楽しみ会」と、子どもたちの活動は続くのだけれど。
 親同志の活動と子ども同士の活動。どっちの活動もいい感じで動いているなぁ、と感じている。


 翌日曜日は、仙台の漫画スクールの最終回だった。キャラクターの作り方などを改めて教わり、記念品に立派なスケッチブックをもらい、「これからも描くことを続けてくださいね」と応援されて帰ってきた。
 職業としての漫画家やイラストレーターは昇平には無理だったけれど、通っている間に画力は上がったし、なんといっても自力で仙台まで行けるようになったのだから、成果は充分だったと思っている。
 昇平は「今回○○のラーメンを食べてこなかったから、今度また仙台に行って○○に行く」と今から次の仙台行きを計画している。

(2014.9.16記)

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[14/09/17(水) 09:27] てくてく日記

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