昇平てくてく日記4

高校編

てくてく日記・170「職業センター見学」

Aki01
庭のドウダンツツジが色づき始めました

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9/22(月)〜9/28(日)

月:フリースクール
火:秋分の日・墓参り
水:フリースクール
木:前期終業の集い(HR)
金:障害者職業センター見学
土:休養日
日:地区運動会を見に行く

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 以前、昇平の担任と話を聞きに行った福島の障害者職業センターへ、今回は昇平と二人で見学に行った。本当は7月末に予約を入れていたのだけれど、私の母の葬儀や私自身の入院が続いて、2ヶ月遅れでようやく行けるようになった。

 担当の臨床心理士のNさんに施設の説明を聞き、昇平は自分がどんなふう働きたいかを話し、実際に職業訓練のプログラムを受けている利用者さんの様子を見せてもらった。
 昇平は「障害者」職業センターという名称を聞いて、利用者の中に奇声や大声を出す人がいたらどうしよう、とものすごく心配していた。これは差別や偏見ではなく、昔から彼が抱えている困難。突然大きな声を出されたり意味のわからないようなことをわめかれたりすると、パニックに陥ってしまうから。この職業センターにはそういう利用者はほとんど来ないようで、実際の作業室でも静かに作業が行われているのを見て、昇平はだいぶ安心したようだった。
 作業室では、商品を伝票に従って必要な数だけ揃える「ピッキング」の作業に興味を示していた。

 昇平にできることは、今はとても限られているし、社会面での発達もまだまだ途上中だから、正直、「ちゃんと仕事に就けるかな」と私も昇平もとても不安なのだけれど、「ここに通うことで、自分に何ができるか、どういうふうにすればできるようになるかを考えて、がんばればできるようになることがあったらプログラムで底上げもして、働きたいという夢を実現できるようにしましょう。私たち職員はそのお手伝いをしますよ」とNさんに言われて、昇平もその気になったようだった。3月に学校を卒業したらここを利用することに決めて、利用登録をしてきた。

 センターの帰り道に、改めて昇平に聞いてみた。
「君はさ、どうして就職したいと思ってるの?」
 すると、昇平は少し考えてから、こう答えた。
「社会や人のために役に立ちたいって気持ちもあるんだけど……一番の理由は、自分の小遣いを稼ぎたいってことだな」
 うん、それならば大丈夫。きっと職業センターに通うことも仕事に就くこともできるね。だって、自分が使えるお金を自分で稼ぐ、というのが、勤労の一番根源的な目的だから。

 卒業まであと半年。
 その間にもっともっと社会性をのばして、いい形で職業センターに移行できるように、と願っている。


(2014.9.29記)

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[14/09/29(月) 10:13] てくてく日記

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