昇平てくてく日記2
小学校高学年編
なわとび大会
昨日、昇平は風邪をひいて朝から調子が悪かったが、それでも、がんばって1,2校時目のなわとび大会に参加した。
どうしても無理なら参加しなくても良いとは思ったが、せっかくずっと練習してきたのだし、記録はともかく、自分の納得のいく形でなわとび大会に出られれば……と思っていた。
その結果はどうだったか? またまたドウ子先生の連絡帳からご報告。
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2月15日(水) 記録者:ドウ子
なわとび大会は西尾先生と参加し、持久跳び21秒、かけ足跳びが88回。がんばっていたそうです。
長なわとび(学級男女別チーム)では4−3が第一位。昇平くんも、みんなと全く同じで、一回も間(ま)を開けることなく次々入れていたそうです。回すタイミングがとても速いのですが、後ろのKくんが昇平くんの背中を押してくれるので、途切れることなく入れたとのことです。
さらにすごかったことには、4−3のJくんが持久跳びで16分くらい跳び続けている間、昇平くんもずっと静かに待っていて、Jくんがとうとうひっかかってしまって終わった時、4−3男子がいっせいにJくんに駆け寄ると、昇平くんも同じく駆け寄って、みんなと同じようにJくんにハイタッチした、という話です。
普通なら「まだ終わらないの〜」と言いそうなところですが、Jくんががんばって跳び続けていることがわかり、すごいことをした、とわかったから、駆け寄って祝福したのだと思います。
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長なわとびの時に、背中を押して入るタイミングを教えてくれたKくんは、普段からいろいろ昇平のお世話をしてくれている子。その指示のタイミングの良さもさることながら、昇平がまた、背中を押されるとためらうこともなく縄の中に飛び込んでいったのがすごかった、という話をドウ子先生から聞かされた。
Kくんは学習発表会の組体操の時に昇平とペアを組んでくれた子。もっとさかのぼれば、3年生の時、学童までの道を昇平と一緒に歩いてくれた子の一人。これはもっと後になったら書こうと思っていることだけれど、とある出来事をきっかけに、昇平を理解しよう、昇平を助けよう、と考えてくれるようになったお子さんだ。
学童に行くメンバーの中では、昇平はYくんを真っ先に覚えて、何かというとYくんばかり頼っていた。昇平を手伝いたいKくんが、「オレはオレは? オレもいるよ」と一生懸命呼びかけてくれていたのに、やっぱり全然気がつかなかった昇平。
でも、4年生になってからもKくんは変わることなく昇平を助け続けてくれて、組体操の時にも、その他の時にも、昇平と一緒に活動してくれた。人の顔を覚えるのが苦手な昇平だけど、今ではKくんの顔はバッチリわかるし、信頼もしている。だからこそ、Kくんに背中を押されると、ためらうこともなく長縄の中に飛び込んで行けたんだよね。
ずっと変わることなく昇平を助け続けてくれたKくん。その優しさを改めて目の当たりにして、そして、Kくんの気持ちが昇平に通じたのを知ることができて、私は本当に、ことばにできないくらい嬉しかった。
Kくん、ありがとうね。本当に本当に、ありがとうね。
4−3のお友だちは、Kくんばかりでなく、他の子たちもみんなとても優しい。
音楽の時間に昇平の隣で昇平にリコーダーの指づかいを見せてくれていた子。昇平が困って戸惑っていると、バケツリレーよろしく正しい場所まで押していってくれた子たち。
みんな、気を遣ったり、特別扱いしたりするのではなく、ごく自然な形で昇平を仲間に加えてくれている。
そんなクラスで活動してきたからこそ、昇平も、クラスメートのJくんが持久飛びで偉業を成し遂げた時、他のみんなと一緒に駆け寄って一緒になって喜んだのだろう。
人は自分を受け入れてもらうことで、他の人を受け入れられるようになる。優しくしてもらえたことで、人に優しくなることができる。
昇平と4−3のお友だちとの関わりを見て、そんなことをつくづくと思う。
本当にいいクラスだね。いいなわとび大会だったね。
がんばって参加して、本当に良かったね、昇平。
[06/02/16(木) 13:30] 学校 発達障害