昇平てくてく日記2

小学校高学年編

新しいお友だちとの関わり・3

 ゆめがおかに新しく加わった二年生のIくんと五年生のL子ちゃん。一度に二人も新しいお友だちが増えてプチパニックになった昇平と、二人との関わりのその後を、連絡帳からレポートです。

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4月18日(火)   記録者:ドウ子

 昨日の授業参観と懇談会では、長時間にわたってありがとうございました。
 今日はIくんを気にしすぎることもなく(1〜2回はありましたが……)、徐々に慣れてきたと思いたいところです。

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4月18日(火)   記録者:母

 本当に、そろそろIくんに慣れてきてくれてもいい頃かな、とは思うのですが……。
 昨年の学童でも、四月当初は新一年生が泣いたり注意されたりするたびに、昇平が怒っていたらしいのですが、そのうちに、「一年生が泣いたりケンカしたりしても全然気にしなくなりましたよ」という話を聞くようになったので、学校でもきっとそうなっていくだろうと思います。もちろん、昇平、Iくん、双方への先生方の働きかけがあって、初めて大丈夫になっていくわけですが。

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4月19日(水)   記録者:ドウ子

 今日、学活で「かかりのしごと」についての話し合いをしました。(係の仕事の)カード作りはすでにやっていましたが、具体的な相談をしていなかったのです。
 その中でIくんが、「自分が一度決めたランチ係がいやになった」と言い出しました。騒いだわけではないのですが、それを聞いていた昇平くん、落ち着いた表情で「じゃあ、僕のメダカ係と交換してあげる?」と言ってくれました。その口調は、騒ぎを収めたくて、という感じでもありませんでした。Iくんのわがままとも取れる言動に、こういう反応をしたのは初めてなので、「ありがとう」とほめました。
 最終的に、Iくんはランチ係に戻ったのですが、昇平くんが優しい言葉をかけてくれたことは嬉しく思いました。

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4月19日(水)   記録者:母

 連絡帳を見てすぐに,Iくんに優しいことばをかけたことを「偉かったね」とほめると、「うん」と言ってから、「掃除の時のことは(書いてなかった)?」と聞いてきて、掃除のゴミ捨てをIくんが責任持ってきちんとやったことを教えてくれました。昇平もようやく慣れてきて、Iくんの行動を、少し余裕を持って見られるようになってきたのかも……と思いました。

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4月20日(木)   記録者:ドウ子

 今朝はIくんがなかなか落ちつけなかったのですが、昇平くんは、気にしないようにしようと一生懸命がんばっていました。それなのに、最後に一言いった「殺すぞ」のことばをIくんに取り上げられ、「昇平くんに、殺すぞ、っていわれたから学校に来たくない!」と騒がれ、何となく気の毒な昇平くんでした。
 今日も学級清掃でIくんがせっせと働く中、ほうきを持ち、うわの空の表情でいる昇平くんを私が注意すると、「Iくんはがんばっているのにすみません」ということを言っていました。相手の良いところは認めようという気持ちが見られ、”何が何でも困った存在”ではなくなっているようです。

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4月20日(木)   記録者:母

 やはり二人とも少しずつは落ち着いてきているようですね。がんばれ、がんばれ……。

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4月24日(月)   記録者:ドウ子

 Iくんの面白い、ふざけたしぐさを見て笑ったり、聴力検査を待っている間、Iくんとぴったりくっついて並んで座り、足で何となく遊んでいたり……。今日はIくんに過敏に反応することなく、むしろ自然な関わりができた一日でした。
 L子さんに対しては、四年の時見せていたような、気になる存在としての気持ちはすっかりなくなったようで、L子さんが多少大きな声を出しても、見向きもしなくなりました。
 一応落ち着いてきた……と言える状態になってきたと思います。

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 以上が現在の彼らの状況だ。
 ゆっくりとではあるけれど、みんな、確実に良い方向に動いてきていると思う。
 初めて出会って、どうしていいかわからなくて、パニックになったりぶつかったり。でも、そんな彼らの気持ちを理解している大人がそばにいて手助けしてくれれば、やっぱりこんなふうに子ども同士受け入れ合えるようになるんだね。
 完全に仲良くなっていくまでにはもうちょっと時間がかかるだろうけれど、やっぱり大丈夫、安心して見守っていよう、と改めて考えている母だったりする。

[06/04/25(火) 08:55] 学校 発達障害

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