昇平てくてく日記2
小学校高学年編
病院に行ってきました
さて、放課後、昇平を連れて病院へ行き、主治医のY先生に今、学校で困っていること、その様子を詳しくお話しした。とりあえず、セルフエスティーム云々については話さなかった。(それくらいの分別はある。笑)
Y先生、難しい顔で話を聞き、診察室で好き勝手な言動をして飛び回っている昇平を観察し、「さて」と言い。
「どうしましょうか、お母さん。お薬の調整をしましょうか?」
つまり、昇平の現状は、投薬という医療行為の対象レベルの状態にある、ということだった。
これは、指導の工夫をしなくても良いとか、セルフエスティームの低下が原因ではないとか、そういうことではないと思う。それはそれでやっぱり、しっかり配慮し続けなくちゃならないことだろうし、絶対に必要な対応ではあるのだけれど――Y先生の曰く。
「今のこの衝動性やマイペースなところ(=自己中心性)をもう少しコントロールできるようにならないと、どんな指導も本人の中に入っていかないでしょうし、お友達ともうまく関われないでしょう」
……確かに。
考えてみたら、今年度に入ってから、私はまだ昇平をY先生の診察に連れて行っていなかった。ちょうど先生が不在の時だったり、薬がなくなっていて、あわてて私だけで行ってきたりしていたのだ。
今日、先生と話しながら、改めて診察室での昇平の様子を観察したら、先生の指示をまったく聞き入れようとしていなかった。いくら禁止されても興味のあるものに手を出そうとする、落ちつきなく診察室をうろつき周り、勝手に身長計などいじったり、私と先生がしゃべっているところに口をはさんだり、先生に勝手に話しかけたりする。私にしてみれば、「普段と違う場所に来て落ちつきがなくなっているのかな?」という印象だったのだけれど、どうも、ドウ子先生たちの話によると、「学校の協力学級でもこんな調子でいるらしい」。だとしたら……だとしたら……こりゃあ、確かに大変だわ〜!!!
とても、指導の工夫云々なんて言っているレベルの状態じゃない。まずは本人を落ちつかせるのが一番。でも、静かな診察室でさえ落ちつかないのだとしたら、学校の教室で、どれほどの落ちつけるスペースが準備できるというのだろう? ドウ子先生も、岩幡先生も、交流についていってくれている西尾先生も、社会科のW先生も、本当にいろいろ工夫をして、それでもどうしても昇平の衝動的な言動を抑えられなくて、ほとほと困り果てていたんだろうなぁ。
うーん。先生方、申し訳ないです!!!
家にいるときにはとても落ちついていたし、私が言うことにはきちんと従っていたので、どうしてもそのレベルで考えてしまっていたのだ。
また、そんな状態にあったからこそ、本人のセルフエスティームも低下していた、とも言えるのかもしれない。自分で自分がコントロールできなくて、そんな自分に自分自身でがっかりして。また、そんな自分の気持ちを抑えることも難しくて。
新しく追加になったお薬は、精神安定剤のセレネース。処方量は控えてくるのを忘れたが、ごく少量だという話だし、これから状態を見ながら量の調整や、あるいは薬を変えるということもあるだろうから、今は分量については良いだろう。そこに、ほんの少量、セレネースの副作用を抑える薬も処方された。
さて、これで昇平の状態がどう変わるか?
うまく落ちついてくれれば、その時こそ、先生たちや私たちの指導や誉めことばが本人の中に入っていって、効果を上げ始めるはず。お友達とも落ちついて関われる余裕が生まれてくるはず。結局のところ、薬も環境調整のひとつなんだよな、とつくづく思う。
本当ならば、もっと早く処方を勧めようかと思っていたんですよ、とY先生が最後に言われた。でも、薬を増やすことなしで何とかなるかもしれない、と思って様子を見ていたんですけどね、と。
私はいつだって、投薬に関しては遅すぎるくらいの決断になってしまうのだけれど、でもまあ、いいや。それでも思い切って試してみることにしたんだからね。後は振り返らず、先だけを見て……(笑)
とりあえず、新しい薬が本人に合うかどうか、観察していくことにしよう。
指導の工夫、家庭教育の工夫は、その上でのことだな。
その旨、担任あてに連絡帳にも書き記した。
[06/06/26(月) 21:03] 学校 療育・知識 発達障害