昇平てくてく日記3

中学校編

年代別療育と支援の目標(覚え書き)

 「療育」って、なんだろう?

 発達に障碍(しょうがい)を持つ子どもにするもの。

 それって治療? それともトレーニング?
 障碍を克服して「普通の子・普通の大人」になるための。

 ううん、違う。
 障碍のある子が自分の特性と折り合いながら社会の中で生きていくために、
 その子に合わせて子育てや教育をすること。
 普通の子育てより少し工夫が必要だから、
 そのぶん、ちょっと丁寧に育てなくちゃいけないだけのこと――。


  ☆彡☆彡☆彡☆彡


 以下は、私の覚え書きです。おそらくわかりにくいだろうし、少し極端な表現もありますが、まだことばを吟味していない状態なのでご容赦ください。


「年代別療育と支援の目標」

【乳児期】
 できるだけ早く発達の偏りに気がつく。
 生命の危険や健康を損なう可能性もあるので、まずは子どもを死なせないこと。母親が倒れてしまわないこと。そのために、周囲も早く「育てにくさ」に気がつくこと。母親を責めない。


【幼児期】
 引き続き、できるだけ早く発達の偏りに気がつく。その後、発達によって偏りが軽減する可能性はあるが、今現在の状態を見極めて、今に必要な対応をしていく。
 引き続き危険の回避。
 周囲は親を責めない。母親のレスパイトは絶対必要。母親の心身の状態が子どもの対応に直結するから。
 一番基礎的な生活習慣の確立努力。食べること、飲むこと、衣類を身につけること、排泄、入浴等の衛生etc. ただし、習慣の確立には本人の発達段階が非常に関係するので、無理強いは絶対禁物。できそうなところ、やれそうなところから。保育園等でプロの支援を受けるのも良い。
 家庭内での人間関係の基礎作り。こどもの気持ちや言いたいことを受け止める努力、こちらの伝えたいことを当人にわかりやすく知らせる努力。すなわち、コミュニケーションの基礎作り。気持ちを受け止められ、相手の言いたいことがわかることで、子どもは安定するし、母親→他の家族→家庭外の人たち と家庭を基礎にして社会が広がっていくから。そのために、絵やカード、実物等の利用、短いことばづかい、その他、当人がわかりやすくなるなら、なんでもやってみる。方法が具体的に思いつかないときには、専門家や先輩の親たちに相談にのってもらう。
 周囲に理解者・支援者を増やす努力。むやみにカミングアウトする必要はないが、助けてくれる人にまで障碍を隠してしまわない。


【学童期】
 引き続き、発達の偏りに気がつく。親によっては、偏りに気がついても将来の不安等から認めたがらない場合があるので、不安を取り除きつつ、子どもの状態を認められる方向に働きかける。
 基本的な生活習慣の確立努力。学習の基礎作り。特に国語、算数は大切。本人の学習能力の状態に配慮し、能力に落ち込みがある場合は補う方法を考え、力のある部分は認めて伸ばす方向で働きかける。学校との連携。補助教材や学習機関等も、本人に合っているなら利用する。
 「できること」が本人のセルフエスティーム(自尊心)の向上につながるので、成功体験をできるだけたくさん積ませる。いやでも失敗を多く経験する子たちなので、わざわざ失敗体験をさせる必要はなし。失敗したときの本人の気持ちをフォローする。努力やできたところまでを認め、次にまたチャレンジできる意欲を守る。
 社会での人間関係の基礎作り。トラブルは互いに理解して乗り越えるための勉強の機会と捉える。ただし、当人に「周囲と折り合ってうまくやっていこう」という気持ちがなければ、トラブルを軽減するのは難しい。周囲と折り合う(仲良くする)楽しさや必要性が理解できる方向の働きかけをする。
 高学年になるに従って、当人の自立的な行動を促す取り組みを増やす。翌日の時間割を揃える、一人で入浴して体や髪を洗う等、生活していく上で将来も必要になる能力を身につけることを優先する。これもできそうなところから。無理に目標を高くすると、本人は失敗体験をしてしまうし、親も子育てのモチベーションや親としての自信が低下するので注意。


【中学生以上】
 成人したときに、親に依存せずに生きていけるだけの能力を身につけるための支援。親はいつまでも子どもと一緒には生きていけないので。
 周囲に理解者・支援者を増やす努力。当人の社会的な能力向上への支援。当人は、困ったときに助けを求められるスキルを身につける。周囲は当人が社会を理解するための支援を続ける。(EX.「今○○さんが言ったことは、××という意味なんだよ……」と場面を解説してあげる)
 本人の得意不得意を見極め、得意な能力で社会に参加できる方向を探る。社会での進路を考えていく。そのための学校の選択や支援を考える。
 子ども自身の社会を大切にする。友だち関係等、主導権は子どもに任せるが、周囲の大人が常に目配りをする。とはいえ、実際に社会に出ればさまざまな人間関係を持つようになるので、学校での人間関係ばかりにとらわれて苦しくなってしまわないように。100人の「名ばかりの友だち」より、1人の「理解してくれる人・気の合う人」を大切に。
 当人は、自分の特性を知り、自分の変えたい部分を改善する努力をする。自己コントロールの訓練、特性から来る困難を越えるための工夫等。


【卒業後】
 能力にあった就労の支援。就労に関する相談先やジョブコーチ、彼らを理解して雇用してくれる企業がもっともっと増えることを希望。
 この部分は、まだまだこれからなので、思いつくのはこのくらい……。

[09/02/27(金) 09:34] 薬・療育

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